第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 09 節「本有(ほんぬ)の発現」
プッゴスの早馬隊員がメレナティレ周辺を巡って伝令した。
ザンダ一行が到着するので、サウォーヌ密偵メンバーとロマアヤ兵はLIFE騎士と配置替えしてほしいという。
騎士長ゼムトの隊員が紹介した。
「グラシロの部隊だ。
ミナリィ港から援軍に来てくれた。」
「我らは騎兵から成る、ファラ殿に選抜いただいた部隊だ。
警備長ワヌアスの指揮系統で行動している。
メレナティレ周辺の担当となった。
任地のどこへでも赴こう。」
槍兵ダッツは、ピスム、ワダイルと共にメレナティレへ帰還することになった。
捕らえた獣はまだ眠っている。
城塞の解体作業に従事しているベリオング、ポートルも、ここでの任が解かれるという。
ピスムが代表して説明した。
「まだ魔族や竜族、術士などは現れていません。
ただ、外来種の動物と、合成獣が目立ってきています。
元々潜伏していた闇の一族が必ずいますので、人の手による異変には十分気を付けてください。」