The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 09 節「本有(ほんぬ)の発現」

第 19 話
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ドガァも丸腰ではない。
イデーリア大陸を駆けた時から愛用の鎧兜がある。
金属のアームガードには高い攻撃性能も備えていた。

ザンダはドガァに、風を纏(まと)って渦巻く攻撃型ロニネをかけている。

「いいぞドガァ、お前こそ最強の獅子王だ!」

勢いよく咆哮を轟かせる。

空気が震撼して、獣や鳥たちは逃げ去っていった。

前方に、一本角をこちらへ向けて息を荒げ、前肢で地面を蹴り鳴らす、犀(さい)のような動物が現れた。

雄叫びを聞いて逃げとどまり、いきり立っているようだ。

「あいつはかわして行こう、野性動物だ。」

ザンダは後続の馬車に、左へ避(よ)けろの合図を出す。

ドガァが右へ引っ張る。
犀は脇腹めがけて突進してきた。

左の腕で角の生えた横面をはたくと、一気に速度を上げた。

犀がよろけた所へ、バミーナが乗り出し、催涙弾を撃ち込む。

ボカンと弾けて白煙が立ち込めた。

一行は可能な限り交戦を避けてメレナティレを目指して行く。

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