The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 08 節「“LIFE”を開く」

第 40 話
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夕食にはリザブーグの子供たち、多数の若い男女も招かれて席に着いていた。

彼らを呼び集めたのは、LIFE騎士団でも旧王国兵たちでもなかった。

この日、明るい時間帯にシェブロンが自ら城下へ赴いて一人一人やグループに声をかけ、招待したのである。

警備にあたっている騎士たちは別室での食事とし、主にフィヲとサザナイアを送り出す交歓の場となった。

シェブロンは城下へ出るにも、ノイが出発してからというもの護衛がいなかった。

どれくらいの警備を行えばいいか、LIFE騎士団の部隊長たちでさえ分かりかねた。
なぜなら、長年に亘(わた)り、ノイほどシェブロンを守り続けてきた騎士はいないからである。

当初は多人数を護衛に使ってもらえるよう、ナズテインが懇願した。
だがシェブロンは辞退した。

彼は周囲の騎士たちに言った。

『敵に狙われて危険であることは、城下のお一人お一人もわたしも、同じじゃないか。
わたしに護衛を付けてくれる代わりに、市街と森の警備を強化して、二重三重にお願いしたい。』

この師の願いを受け、ナズテインらが奔走したため、リザブーグ守護を志願する者は次々に現れた。

ミナリィ港にいた旧王国兵。
メレナティレ兵。

リザブーグ郊外の集落に住んでいた若者たち。

更には隣国ミルゼオからも、共に戦いたいと言って集い来る人々がいた。

過去に兵が集められた例といえば有無を言わさぬ専制下の「徴兵」であって、誰も望まぬ侵略戦争に動員され、戦地で命を落とす者も多くいた。

今、各地から馳せ参じたのは“LIFE”の実現に目覚めた志願兵であり、その究極の魔法理念を人々に教え導いてきた師シェブロンを守るためにほかならない。

周囲の都市から援軍が現れたと報告を受けたシェブロンは、すぐに指示を出した。

「どのお一人も、ご家族や祖国にとってかけがえのない存在であり、お父様であり、お祖父様であり、ご主人やご子息であられる。
戦闘に立つだけが戦いではない。
世界のために働きたいというお心に応えていくのだ。
それから、彼らに代わって、その祖国をもお護りするのが我々の責務だぞ。」

師の叫びはLIFE騎士たちの闘魂を燃え上がらせた。

万の個性を育み生かしきる軍の老顧問スヰフォス。
全軍の将兵の意を得た作戦遂行の天才ナズテイン。

決戦の時を迎えるにあたり、騎士たちも軍の再編成を行い、無敵の布陣を整えつつあった。

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