The story of "LIFE"

サザナイアは、皮をベースに、肩や胸、肘・膝、腰などにカーボン製のプロテクターを身に着けている。
カーボンは軽量で動きやすく、魔法ダメージも受けにくい。

戦場では全くといっていいほど隙を見せない彼女が、はにかんでもじもじしながら答えた。

「･･･盾、かな･･･。」

フィヲは可笑しくなった。
サザナイアの腕に飛びついた。

「たしかに、小型の丸盾でもあるといいのう。」

ちらっとファラを見遣る。
目が合った。

「昨日までのカイトシールドはどうだった？」
「ぼくは重装の方がいいので、大きい盾もよかったです。」
「今度の、小手と一体型は？」
「盾でよけるという動作が省けるので、攻めに特化できると思います。」

サザナイアはうれしくて、満面、笑顔になった。

「ねえ先生。
わたしの戦い方で、盾を使うならどんなふうにするかしら･･･？？」
「なんだ、イメージがわかないか。
実際に持ってみればすぐに分かるだろう。
重量によっては邪魔になるぞ。」

両手を後ろにまわして、背伸び気味に天井に目をやった彼女は、やはりイメージできないらしく、結局はにかんで笑った。

「ミナリィからの、ヴェサさんの到着までは発ちませんよ。
･･･防具屋さんに行ってみましょう。」

そう言うファラよりも早く階段の方へ行ってしまうので、フィヲも一緒に駆けた。

「あ、待ってー。」
「ファラよ、手持ちは足りるのか？」
「はい、いいのがあれば買ってきます！」

３人とも出て行ってしまった。

スヰフォスはサザナイアの長い剣を持つように、そして彼女の長身になったつもりで、動作を取った。

「当たる、強い、反撃は来ない･･･。
横からの攻撃。
･･･うむ、肘で打ち返せるといいのう。
エルボーパッドか！
更に反対から斬り込まれる、これを盾で防ぐ。
うむ。
盾を引いて剣で突く。
背後の敵をしゃがんでかわし、左の腕で前へ投げ倒す。
･･･ううむ、するとやはり、盾の形状は細長く、手首から肘までの長さがいい。」

城内の警備兵がスヰフォスに尋ねた。

「学師様、どちらへ？」
「ふふっ、ノース・イーストへ。
･･･すぐに戻る。」

こうした場合、シェブロン博士よりも年配の彼が、飛び跳ねるような無邪気さを見せるのだ。
兵士たちの間をすり抜けながら、可愛い教え子たちの後、城下町へ駆けおりて行った。