The story of "LIFE"

やがて全員が広間へ集った。

この直前、着替えを済まして戻ったファラは、シェブロン、スヰフォス、ノイ、タフツァと、一緒に来たフィヲだけの場で打ち明けていた。

「『長老の森』へはフィヲとぼくで行きます。」
「そうだな、二人にお願いする以外ないのだ。
他に誰か連れて行かないのか？」
「先生もお感じになられたと思います。
北の森や、この周辺の森だけでなく、世界に何か異変が起きていることを。」

フィヲが頷いた。
タフツァはやや驚いてファラの顔を見た。

「うむ、きみから皆に説明してほしい。」
「レボーヌ＝ソォラやミルゼオ、メビカやウズダク、そしてロマアヤにも危険が迫っています。
戦力を分散することにはなりますが、各国に布陣を整えてください。
その上で加勢していただけるのでしたら･･･。」

会議が始まった。
タフツァが真剣な面持ちで、額に汗を浮かべながら話し始めた。

「悪魔の一派は北の大陸オルブームの、双牙の魔山『ヤコハ＝ディ＝サホ』と『長老の森』を占拠しました。
ここへはまずファラくん、フィヲさんに行っていただきます。」

場内がざわついた。
そのままタフツァが話す。

「オルブームの作戦についてはファラくんに一任するので、ヱイユと連携してほしい。」

ザンダが声を上げた。

「タフツァさん、おれも行かせてください！
お願いだから。」
「今、アズ＝ライマ(星)全体の危機について説明する。
それで判断してくれ。」

ふくれっ面でザンダは座った。
以前よりも大人になった部分と、以前のままの部分が同席しているようで、フィヲはおかしくて笑った。

「アドミラル＝ハムヒルド、キャプテン＝レスタルダ、お二人にはウズダクを守っていただきたいと思います。」
「そ、祖国がどうかしたのか！？」
「魔族はどこにでも現れます。
貴国の人々が危険にさらされることも考えられるのです。」

ハムヒルドは義腕を組んで黙っていたが、意見を求めるようにレスタルダが見てくるので、すぐに決定をくだした。

「･･･分かった。
だが正直、人間でないものを相手にどこまで戦えるか分からねえ。
ＬＩＦＥの救援を頼みたい。」

アンバスが立った。
ルアーズとともにウズダクへ潜入して味方を作った経験があるからだ。

「自分が行きます。」

タフツァは首を横にふる。

「あなたはルモア半島へ行ってください。」

そう言われると断れない。
タフツァは彼の故郷がルモアにあることを知っていたのだ。