The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 06 節「輪廻の支配者」

第 01 話
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“LIFE”の光に満たされたリザブーグ城は、およそ魔法とは異なる力で守られていた。

ロニネの結界を張ったとしても、それは容易に破られてしまう。

今この城下を包み込んだ力は、一切の悪魔を寄せ付けぬ、天と地と人間と、ありとあらゆる力用(りきゆう)による守護であった。

シェブロン博士の入城によって生まれたその力は、外へ外へと広がる性質を持っていた。
旧王城と城下町を包み込んだだけでは止らない。

“万人の師”を迎えるにあたって、要衝たる城内の警備に着いていた騎士たちが、続々と森へ繰り出したのだ。

日はすっかり西へと沈んでいたが、真っ暗な木陰を明るく照らし出しながら突き進む隊列が幾つも見られた。

東へ、ミルゼオ国境までの警備を任されたのは騎士長ダジースカイ。
北東へ、コダーヴ市へ連なる森を託された騎士長ムゾードフ。
北へ、メレナティレにいる味方との連携を命ぜられた騎士長ゼムト。
北西へ、封印の地ディスマの探索を得意とする騎士長ラディオネ。
西へ、古の塚を守る集落付近の警備に遣わされた騎士長ルザーリ。

皆、先頃まではリザブーグの王国騎士だった面々である。
それだけに、初代LIFE騎士となったメンバーとは旧知の間柄とも言えた。

更に騎士たちの間を駆け巡る斥候長プッゴス。
彼は30の部下を従え、馬を操った。

リザブーグ城南門に本営を構える警備長の名をワヌアスといい、シェブロンを迎える体制においてもタフツァの側近として働いた。
出陣にあたり、タフツァから言われた内容を、自分の言葉で皆に伝える。

「LIFE騎士の松明(たいまつ)の灯で森中を満たすのだ。
闇の者が潜伏できぬよう、あぶりだしてきてもらいたい。」

ワヌアスは50歳に近い年齢で、昔はノイやツィクターと剣を交えたこともある。
その敵が、長い年月を経るとLIFEを護る側へ回っていた。

若い者を中心に選抜された騎士たちは、もし警備長に心配をかけるようなことがあれば、彼自ら戦線に出てくることを知っている。
特に騎士長たちがワヌアスを畏れもし、尊敬もしていたのである。

隊列を組んで徒歩で進む騎士たちは、途中で道に分かれて分散していった。
騎士長は警護エリアの中心手前辺りにキャンプを張り、部下を交代で立たせる。

任地に到着後、それぞれの騎士長はまず自らが立って最初の戦いを開始した。

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