The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 05 節「獅子王の会座(えざ)」

第 35 話
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そこら中から、ひっきりなしにゲラゲラと嘲笑が起こっている。

エモラヒは舌なめずりしながら顔を歪ませた。
ニヤけているのである。

「おい、お前。
あそこに入りこんだことはあるか?」

そう言ってヨムニフは北に広がる森を指差した。

なおも顔を歪ませて、エモラヒは長い髪を揺すった。

麓の森の辺りで地鳴りがしている・・・。

急に、声を裏返らせてヨムニフが笑った。

「地神が怒っているらしいぜ。
・・・天の神は逃げて行ったがな、ぎゃっはっは。」

天神とは迦楼羅のことを言っている。

「大地に神あり、僻地に土人(どじん)あり。
うひゃひゃひゃ・・・!!」

ガクガクと背中を波打たせながら、ヨムニフは笑い転げた。

「・・・あぁ、はあ、おかしい!
・・・ありゃあ地響きか、土人どもの地団太か、ぐっひゃっひゃっひゃ・・・。」

グスッと、エモラヒは鼻で笑った。
それを聞いてヨムニフは更にツボにハマってしまった。

「・・・ふわぁ、はぁ、ところでなあ、・・・がっはっは、どうなんだ、お前、ぶはっ、あそこへ、・・・あそこへ、入れやしねえか。」

エモラヒは両目にかかった前髪をどかそうともせず、じーっと森に見入った。

ヨムニフはなおエモラヒの肩に手をかけて笑い続けていたが、ようやく収まってきたらしく、話を切り出した。

「・・・あそこから吹き出してくる魔法エネルギーは、オレたちを寄せ付けない、不快な色をしている。
つまり、シェブロンが好んで使うようなやつさ。
・・・うああ!
考えただけでもむしゃくしゃする!」

聞いていたエモラヒもぶるぶるっと震え、自らの首を掻きむしった。

「・・・なあ、あれに手を加えてやれば、吹き出す魔力の性質はオレたちの自由にできる・・・!!
ウジ虫どもからエネルギーを根こそぎ奪い取って、飢え死にさせてやらねえか。」

こう言って互いに見合った時、割れるような狂気の哄笑が起こり、闇夜に響き渡った。

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