The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 05 節「獅子王の会座(えざ)」

第 13 話
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昼食の時間となった。
休憩をはさんで、ミナリィ港へ赴くLIFE騎士団以外のメンバーで午後も会議を行う。

ファラとフィヲは一緒に食事をした。

「ねえ、そういえば、剣が折れてしまったわね。」
「うん・・・。
実は、前からずっと欲しかった剣があるんだ。」
「えっ!?」
「リザブーグ城下で、ルアーズさんや騎士団のみんなと訓練していた頃、武器屋さんに行ったことがある。
そこで前の装備をそろえたんだけど、当時では重たくてとても扱えなかった無刃刀。
ぼくのために取っておいてくれるって言ったんだ。」
「まだあるかしら・・・。」
「武器屋さんは鍛冶職人で、その剣には自分の理想を込めたんだって。
誰も目をとめない、需要のない剣。
まだ腕の力のなかったぼくに、あの無刃刀コランダムを薦めてくれたんだよ。」
「じゃあ、午後はその剣を買いに行きましょう。」

ファラはにっこりと微笑んだ。

早めに昼食を終えて、二人して出掛けて行こうとするのを見たスヰフォスは、なんとも嬉しそうな顔で声をかけた。

「ファラよ、だいぶ体格もよくなったな。
ひとつ鎧でも新調したらどうだ。」
「はい。
これから大無刃刀を求めに武器屋さんへ行くんです。」
「おお、そうか。
ならば防具も一式そろえてきなさい。
金券を渡しておこう。
全部使っていいよ。」
「本当ですか!?
先生、ありがとうございます!!」

騎士たちに対しては時に厳しい彼も、ファラには至って優しいのだ。
以前もらったのはクーポン券だったが、今度はスヰフォスが支払い済みの金券を渡された。
5万チエル分もあった。
ミルゼオ国ビオム村で、寝食を共にして戦い方を教わった師だけに、ファラも遠慮する気持ちが少ない。

「魔石の盾も打ち直してもらったらいい。
鎧の左上腕部に組み込ませるのもいいな。
・・・ところで、お嬢さん、フィヲさんというのか。
あなたは何か要るものはないかね?」
「わたしはこの発動用のロッドと、ロマアヤ製の戦闘着がありますから・・・。」
「ううむ、見せてごらん。
・・・そうだな、先端にファラの盾と同じ魔石『メヌゼウム』を埋めてもらうといいのう。
なあに重くはないさ、少量でいいのだ。
それからその魔導着、確かに性能がよさそうだが、魔法を込めた布と糸とで新調するのも悪くないぞ。
洋裁屋が武器屋と同じ『ノースイーストタウン』にある。
好きな生地と糸を買ってきなさい。」

スヰフォスはフィヲにも金券をくれた。
1万チエルの券だ。

「もし足りなければファラが買って差し上げなさい。
魔法は二人で込めればいい。
あらゆる戦局を想定して、最強の魔導着を作るのだ。」

そう言って笑ったスヰフォスに、フィヲははじめ恐縮していたが、温かい気持ちになってお礼を言った。

「布を魔法で仕上げたらもう一度洋裁屋に持って行って、形状も気に入ったように注文するんだよ。
遠慮することはない。
それからメヌゼウムの塊が騎士団の倉庫にあるはずだ。
ファラが行って取ってきなさい。
今でもお前以外は使い手がいなくてな。
お嬢さんが使ってくれればもっと普及するだろう。」

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