The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 05 節「獅子王の会座(えざ)」

第 11 話
前へ 戻る 次へ

フィヲは玉座があった場所の後ろにある石の壁の前に立ち、皆に言った。

「これはおばあちゃんに教えてもらった“光”の魔法。
今から“LIFE”の魔法陣を描きます・・・。」

大きい円が描かれていく。
最初に浮かび上がったのは、上下左右に、火水風土の文字だった。
4つの文字は同時に現れた。

「これが四属性です。
そして・・・。」

右上に熱、左下に冷、左上に電、右下に磁。
この4つも同時に現れた。

「亜流四属性。
大きな円の内側に並ぶこの8つは、ファラくんが使えなくなっている魔法です。」

文字を描く“光”は、属性に特有の色を発していた。
時計回りに、火は赤く、熱は橙、土は黄色、磁は黄緑、水は碧(みどり)、冷は水色、風は青、電は紫。

虹の輪のようだ。
誰もが美しさに声を漏らした。

小さい同心円が描かれていく。

「四属性と亜流四属性の内側には、更に高度な8つの魔法があります。
火と爆、熱と滅、土と壁、磁と重、水と吸、冷と変、風と喚、電と衝は、属性が対応しているのです。」

虹の輪の内側に、もう一つの虹の輪が描かれるように、時計回りに8つの文字が現れた。

まるで2重の虹がかかったようだ。

「シェブロン先生は言われました。
“LIFE”は誰にでも発動できる魔法だって。
そして16種類、全ての魔法が必要だと教えてくださいました。
もしも“LIFE”が現象を伴う魔法であるなら、全ての魔法を修得した魔法使いにしか発動することはできません。」

ここでフィヲは言葉を止(と)めた。
ファラに、ここへ来てほしいと合図している。

ファラが立ち上がった。
彼はフィヲの話にいつまでも耳を傾けていたい気分だった。

実際、誰もが同じ思いで聴いていた。
次は何が起こるのだろうか、と。

前へ 戻る 次へ
(c)1999-2024 Katsumasa Kawada.
All Rights Reserved.