The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 05 節「獅子王の会座(えざ)」

第 07 話
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少年ファラは眠っていた。

テンギが鋭く突き出した槍に、シェブロン博士が狙われている。

ファラは博士の前に立ちふさがり、ドスッと槍を受けた感じがした。

血が流れているだろうか。
ついに死んでしまうのか。

しかしファラは、そんなことには構わないで、不敵な笑みを浮かべてテンギに叫んだ。

『お前なんかに負けるものか!!』

ハッと、ファラは身を起こした。
ベッドの上に寝かされていた。

隣にフィヲが眠っている。

「フィヲ・・・?」

声をかけたが、フィヲはスヤスヤと寝息を立てて目を覚まさない。

思いがけず、こんなに近くで彼女を見たので、ファラはうれしい気持ちになって、身をかがめ、そっと眺めた。

外を歩く人の足音が聞こえる。
ガラスのコップに氷が当たってリンと鳴った。

ファラは顔を赤らめて布団にもぐりこみ、寝たふりをした。

「どう、起きてる?」

ソマだ。
ファラは心臓がドキドキして、呼吸まで乱れてしまった。

「あら、ファラくん・・・?」
「ううん、・・・ここは?」

ごまかしてみても、まだ胸が鼓動していた。

「メレナティレ城から、よくここまで届いたものだわ。
フィヲが起きたらお礼を言うのよ。
あなたも苦しそうだったけど、フィヲは魔力を使い果たして、一時危険な状態だったんだから。」
「えっ!?」
「ふふっ、もう大丈夫。
・・・ところで、あなた熱でもあるの?」

ファラは赤くなった顔を見られないように反対側を向く。

「あははっ、一緒に寝かせたのが悪かったかしら。
お互いしっかりつかまっていて離れなかったのよ。
二人とももう心配いらないから、お水でも飲んだら昼の食事にはいらっしゃい。」

ソマが部屋を出て行った。

ファラは安心して、もう一度フィヲの寝顔に見入った。

「フィ、ヲ・・・。」

そっと頬に触れてみる。
いとおしい気持ちでいっぱいになった。

「あ、・・・ファラくん。」

両手を伸ばしたフィヲを、ファラは抱擁した。

「よかった、また会えたね。
もう少しだけ、休ませて・・・。」

ホッとしたためか、回復しきっていないためか、温かい布団の中、二人は互いに守り合うようにして眠りに落ちた。

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