The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 04 節「後継の時」

第 21 話
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怒りに狂った赤い目を剥(む)き出して、フィフノスは魔法を立ち上げた。
渦巻くトゥウィフである。

ファラはアンチ・トゥウィフの盾で防ぎ、その切削現象を操(あやつ)り返して術士に返す。

フィフノスにもロニネがかかっていただろう。
それは消し飛んだ。

すかさず相手の胸部を剣先で突く。

フィフノスは後方へ吹き飛んで背中を強打した。

だがファラは追い討ちをかける。

立ち上がれない相手の腕を掴んで引き上げた。

パチン!

平手打ちである。

ファラはその一撃に“LIFE”の魔法陣を込めていた。

ガクガクと震えて大地にうつ伏したフィフノスは、初めて人の言葉を放った。

「こんなことなら早く殺しておけばよかった・・・。」

戦いを長引かせるのは無意味であることがはっきりした。
ファラはその背を踏みつけ、剣先を顔のすぐ横に突き立てて言った。

「お前は野放しにできない。
ここで森の養分となるか、“LIFE”を守護する鬼となれ・・・。」

フィフノスはグッと地面に押し付けられ嘔吐する。
周囲に魔法陣が浮かび上がっていく。

「醜い餓鬼め!
よくもそこまで“生命”を貶(おとし)められたものだ。
正しい魔法陣を刻み付けて出直してこい!!」

“LIFE”の魔法陣だ。
永きにわたり、背き背いて生きてきたのである。

想像を絶する苦しみが、責め苦がフィフノスを襲い、制圧した。

もはや発動しようにも、何も起こらなかった・・・。

そこへヴィスクが獲物を生け捕って帰ってきた。
この森の主である、魔力を持ったキツネである。

またニムオーは額に角を生やした馬を捕らえてきた。

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