The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 04 節「後継の時」

第 19 話
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そうしている間にファラの魔力が満ちてきた。
対照的に弱った相手を、まずゾーから解放した。

「さあ、まだ戦うか?
戦意があるなら見せてみろ!」

当然、言葉は通じないが、翼竜ニムオーは牙を剥(む)いた。

先のようには翼に力が入らないらしい。
重々しく起き上がると、後の2本足で立とうとした。

戦いに臨んで、ファラに容赦はない。
盾を翳(かざ)しながら一撃狙った。

右の方から尻尾が繰り出されたので、それを飛んでかわし、敵の左肩を剣先で強突する。

上体を捻(ひね)るようにして、ズシン、とニムオーは横たわってしまった。

大地の上で七色の光が魔法陣を描き、スーッと消え入りながら、ニムオーをも消し去った。

「か、怪物はどこに・・・!?」
「・・・封印してしまったのですか?」

これがファラの本領である。
メゼアラムの師、召喚士ムヂの顔(かんばせ)が浮かんだ。

亡き師を思うと涙が溢れてくる。

魔獣を捕らえられるようになるまで、何度も敗れては助けてもらった。

ニムオーに会って、当時倒せなかった魔獣との戦いを思い出したのである。

「さあ、行けっ!!」

今捕らえたばかりの魔獣を森に放つ。
全身がファラの髪の色に似た水色の光で包まれていた。

「よし、お前も行っておいで!!」

狼のヴィスクだ。

召喚の魔法陣に“LIFE”を込めてある。
どのような戦い方をするか楽しみだ。

2体とも、勢いよく飛び出して行った。

ふと目を上げると、木々の切れ間から、翼を持つ魔獣が大空を満たしているのが見えた。

ファラがニムオーとヴィスクに劣らぬ快活さで駆け出すと、今度は大蛇の姿をした魔獣が現れた。

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