The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 04 節「後継の時」

第 18 話
前へ 戻る 次へ

黒い翼の魔人たちがふわふわと舞っていたのに対して、突如、バサバサと羽ばたいて、ズシンと地面に降り立ったものがあった。

巨大なトカゲ型のモンスターだ。
太古の爬虫類のように、大型の翼を持っている。

『こ、こいつは・・・、合成獣じゃないな。』

魔人たちが叫んだ。

「ニムオー、殺れ、殺っちまえ!」
「八つ裂きにしろ!」

LIFE騎士が追いまくって魔人に戦いを挑んでいく。

ニムオーと呼ばれた怪物は、翼から次々に衝撃波を起こしてファラに攻撃してきた。

『だめだ、この小さな盾じゃあ、防げない・・・!!』

ついに魔法を使ってしまった。

盾に一回り大きい「アンチ・トゥウィフ」をかけた。

やっとのことで近付いて剣を一振りすると、怪物は飛び上がって空へ逃れた。

あまり魔力を使えないファラは、自分も飛翔するということは思い止(とど)まってしまう。
翼竜相手に空中戦をするなら、一度全回まで戻したい。

どんな攻撃が来るか分からないので、吸収を込めたロニネで身を守った。

すると次の瞬間、ごろごろと空で不穏な響きが起こって、ファラの頭上へ目掛けて雷電が迸った。
ロニネを張っていなかったら身を裂かれただろう。

だがかえって、強大な魔法力が注がれたため、ファラも発動に対して強気になってきた。

相手から奪えば全回までもっていけるかもしれない。

『まずは身動きを・・・。』

地面の石や土が浮上した。
かわりにニムオーが大地へ引き寄せられた。

バチバチとエネルギーの暴発が起こり、電撃のように光を放っている。

「グオオオオオオン!」

ソマがよくやるように、ファラは相手の魔力をいったん大地へ吸わせることで、動きを封じた。
活動に必要な力が、瞬間瞬間に奪われるため、もはや飛翔もできなければ、這うことも歩くこともできない。

ただ苦しそうに唸り声を上げるだけである。

前へ 戻る 次へ
(c)1999-2024 Katsumasa Kawada.
All Rights Reserved.