The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 04 節「後継の時」

第 08 話
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「ウギャーーーーー・・・!!!」

意識が戻ったヒユルは、目の前の怪物の姿に、心底絶叫した。
振り払おうとしても、がっちりと掴まれて逃げられない。

そのまま抵抗できず、弄ばれ続けた。

一度テンギが果てた所で、ヒユルは渾身の憎しみを込めて顔面を叩(はた)き、額を蹴飛ばした。

これによって、再びテンギの情欲が燃え上がったが、悪魔カコラシューユ=ニサーヤの力が目覚めてヒユルに注がれた。

風と衝撃を伴うピンク色の破壊現象が起こって、テンギは裸の肉体をズタズタに裂かれる。

いきり立ち襲い掛かったが、陰部に致命的な傷を受けた。

うずくまって苦しみもがくテンギを、ヒユルにかわってニサーヤが攻撃した。

召喚された魔獣も実体を持つ。

テンギの生殖器は5つあり、1つを損傷しただけではまだ動ける。
かの小さな悪魔に向けて一撃、二撃、三撃、・・・武器はなくとも、拳の威力が絶大である。

ニサーヤはボコボコに殴られ、またしても死に瀕した。

そこを、衣服を纏ったヒユルが魔法陣に戻す。

「このムカデ野郎!
その手足首、バラバラに斬り刻んでやるからな!!」

ヒユルはパピルスを繰り出して、テンギの首へ巻きつけた。

胸筋を張って踏み止まるテンギに、ヒユルは魔法の力で締め付け、引っ張った。

「うぐ、ぐ、がごご・・・!!」

2対4本の腕を使ってパピルスを引き千切ろうとしたが、ヒユルは電撃を加える。

「うぐおおおおおおお・・・!!!」

首にまで電流を受けて、パピルスに触れた箇所が黒焦げになった。

それでもテンギはヒユルの体をあきらめられない。
もう一度、我が物にしたいと思った。

「よくもあたしを嬲(なぶ)ったな・・・!!!!!」

ヒユルは激昂している。

まだ死なないのを見て、パピルスを長く長く伸長させると、蛇のように素早く這わせてテンギの胴を雁字搦(がんじがら)めにした。

そして放電である。

同時に先のピンク色の旋風が起こり、テンギの体を切り裂いた。

絶叫があまりにうるさいので、テンギの頭部を水の球体に閉じ込めてやった。
呼吸できないことになる。

鬼神は完全に死を待つだけと思われたが、ヒユルが更に、不自然な長さの袖の中へ隠し持った金属の爪で、テンギの左胸を貫き通した。

だが彼女の復讐にはほど遠い。

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