The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 03 節「帝都の暴政」

第 17 話
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メレナティレで散々に機械兵を爆破し、王城の壁面に穴をあけるなどしたヱイユは、狙い通りテンギの怒りを買った。

10本ある足のうち、6本で地面を蹴りながら疾駆する姿はまるで猛獣のようだ。
人間の足音でも、獣の足音でもない。
ガガガガガガッ、ガガガガガガッ、と絶えず地響きを立てた。
数多(あまた)の武器もガシャガシャと鳴る。

それが思いの外、速い。

灰竜アーダの姿でテンギを誘導するつもりだったが、危うく尻尾を掴まれそうなほど距離を詰めてきた。

『ソマと二人で戦おう。
別々にいるのは危険だ。』

樹木を薙ぎ倒しながら、どこまでも追って来るテンギの姿は、到底この世の生物であると思えない。

『ダメだ・・・、ここで一度退けよう・・・!!』

バッと翻ってテンギの頭上に滞空する。
そしてヱイユの姿に戻った。

「テンギ、お前は何を望んでいる?」
「生(せい)の消滅!
10の腕が、10の脚が、破壊と殺戮のためにのみ動くのだ・・・!!」

6本の脚を持つ怪物にも見える。
2対の脚は前と両脇へそそり出ていて、攻撃にも防御にも使うようだ。

そのテンギが、一番後ろの2本の足で立ち上がった。

頭上にいたヱイユも、敵のあまりの不気味な動きに上空へ逃れる。
テンギ本来の3メートルの巨体で、樹上に頭が出ていた。

「お前がヱイユか。
・・・小さいなあ!
握り潰せそうだ。」

うぞうぞと動く10本の腕。
ゆらゆらと揺れる4対の脚。

このような手数の多い相手に、果たして為(な)す術(すべ)はあるのだろうか。

「面白い。
ならばお前と対決しよう。」

間合いに入ればやられるだけだ。
掴まれて滅茶苦茶に打たれるだろう。

かと言って、生(せい)ある者への殺傷は許されない。

「なあテンギ、お前はその体で、一対一の戦いを望むか、それとも一人対多数を望むか。」
「手向かう者は多ければ多いほどいい。
仲間を呼ぶならば呼べ。」
「よし、来い・・・!!」

アーダの姿にはならず、テンギを引き付けてソマの元へ急ぎ戻る。
目的は相手を知ることと時間稼ぎである。

彼女とアーダを加え、三対一の戦闘をしかけてみようと思った。

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