The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 03 節「帝都の暴政」

第 14 話
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メレナティレは騒然としていた。
人々は午後の活動を始める頃だった。

背中にソマを乗せた灰竜アーダが、再び町を爆撃したのである。

警備のために集められた機械兵を、一機、二機と破壊する。
街路付近まで降りて低空飛行しながら、ソマも機兵を撃った。

ファラとフィヲは若い夫婦の姿のまま、町に出て住民を避難させる。
できるだけ王城から遠くへ、西の森の方へ、誘導した。

リザブーグへと続く東の道も、これから戦場になるだろう。

王国兵は、列を成して逃げていく住民らの姿を見て、次第に訝(いぶか)しんだ。

「お前たち、どこへ行くつもりだ!?」
「町にいたら巻き込まれちまう!
メレナティレが蒔いた種じゃないか!!」
「なにおう!!」

ガツン、と兵士が住人の男を殴った。

「おおおお!」
「なんてことを!」
「王国騎士は国民を守らないばかりか、危害まで加えるのか!?」

まずいことに、男たちがいきり立って、兵士らと諍(いさか)いを始めた。
フィヲは女性たちを遠くへ逃がし、ファラは騒ぎを聞きつけて戻ってきた。

王国騎士が抜剣するのが見え、次の瞬間、人の頭から血が噴き出した。
絶叫と悲鳴が起こって、多くの者はその場から離れる。

「その剣、待て!」

もう構うものかと、凶刃目掛け、ファラが魔力を解放し、滑走する。

バキンと音を立てて、兵士の血刀は真っ二つに折れ、柄まで弾き飛ばされた。

強打を受けた兵士の手は、指の骨が粉々になってしまった。
少年は情けも容赦もなく、更に王国兵の横面を力任せに蹴飛ばした。

「この、人間のクズめ!
さあ、剣を取れ、早く拾って来い!!」

兵士は呻きながら右手を押さえ、のた打ち回っていた。

「聞こえないか!?
立ったらどうなんだ!!」

他の王国騎士たちが集まってきて、ファラに剣先を向ける。

「全員で来い!
手を抜くくらいなら今のうちに消え失せろ!!」

激しい応酬になった。
しかし一方的にファラの攻撃がヒットしていく。

一人倒れ、二人倒れ、五人、十人、・・・五十人ほども叩き斬ったところで、戦う相手がいなくなった。

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