第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 03 節「帝都の暴政」
「タフツァさん、大変です!
前にも、両側の森からも・・・!!」
第六部隊のヌザルムが覚悟を決めて、進路を阻む機体へ向け、馬車を向けさせた。
マシンクの第五部隊が続く。
「邪魔くせえ奴らだぜ・・・!!
叩き潰してやるっ!!」
サーベルを引き抜き、馬車から駆け降りたのは第三部隊のウタックである。
部下も皆続く。
これを見て、レンガーの第二部隊も飛び出した。
「ウタック!
我が隊が盾となろう。」
「へっ、怪我するんじゃねえぞ!」
多くの敵を引き受けてくれたので、残る部隊でリザブーグへ急ぐ。
左前方の森の中に3体を見つけるや、今度は第九部隊のレヂョウが隊列から離れた。
「我が隊にお任せください!」
しばらく行くと、ズシン、ズシンと足音を響かせながら、見たこともない巨大な機体が姿を現した。
ヤエがタフツァに言う。
「サウォーヌ全員で戦います。
お急ぎください。」
「ヤエさん頼みます、どうか気をつけて!」
河川の上に大きな橋がかかっている。
先の大型ロボットはここのガーディアンだったらしい。
ついに城門が見えた。
すると、今度は王国騎士の群れが、門を押し開いて、次から次へと現れ、こちらに襲い掛かってきた。
「望むところだ、LIFE騎士団の戦いを見せてやろう!!」
ラッツピンの第七部隊、バグティムトの第八部隊が前衛を引き受けた。
「リザブーグの騎士よ、お前たちに勝ち目はない!
LIFE騎士団に降れ!」
うおおおお、と敵方の怒声が上がり、衝突するも、ラッツピンたちの見事な双剣戦法、バグティムトたちの素早くも重厚な体術の前に、王国伝統の騎士団はドミノ倒しの如く崩れていった。
川に落ちた者を助けるため、第一部隊のナズテインは自ら飛び込んで敵兵を抱え、岩場へと運ぶ。
そうした姿を見てもなお、水上戦をしかけてくる者がいた。
「望むところだ!
邪心は完膚(かんぷ)なきまで砕いてやる!!」