The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 03 節「帝都の暴政」

第 10 話
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コダーヴ市の南方に宿営していたLIFE騎士団は、少年ウィロが御するアミュ=ロヴァ様式の馬車を先頭に、ヌザルムの第六・重装部隊とレンガーの第二・攻守部隊が続き、マシンクの第五・長槍部隊とウタックの第三・サーベル部隊、オルグスの第四・棍棒部隊とラッツピンの第七・双剣部隊、ハッボスの第十・大刀部隊とバグティムトの第八・格闘部隊、その後ろにレヂョウの第九・捕縛部隊、殿(しんがり)にはナズテインの第一・斥候庶務部隊に総司令官スヰフォスが同乗している。

1車・2車・2車・2車・2車・1車・1車の隊列である。

出発前、騎士団の全ての武器防具に攻撃型ロニネが込められ、攻めて攻めて攻め抜く作戦が徹底された。

全軍の舵取りを任されたウィロは、タフツァから、前方に機械兵を確認したら迷いなく接近してくれと言われている。

左右に機体が現れると、この馬車に乗り込んだヤエとサウォーヌの4人が一撃で仕留めるべく武器や魔法を撃ち込む。

しかし通過にあまり時間をかけられない。
そこで先頭の馬車が仕損じた機体には、2車ずつ並んだ部隊が左右へそれぞれ攻め寄って撃退する。

「まだこんなに野良がいるなんて・・・。」
「統制を失っているらしい。
機械兵団の形成が国策ならば、野良機体による被害は国家の責任だ。」
「言うことも聞かなくなったロボットを放置しておいて、外からの進入を防いでいるつもりだとしたら、メレナティレの国力はその程度ですね。」

この時、ウィロが叫んだ。

「来ました!
かなり大きい機体・・・!!」

前方から、迷彩色のボディを持つ、人型の機械兵が現れた。
両腕にミサイルを搭載している。

タフツァが馬車から飛び降りた。

瞬時に動作ロックをかけ、破片が飛んでこないようロニネで閉じ込め、爆破した。

その背後から、更に1機、2機と連なって見える。

2つのミサイルが発射されて、片方は前の機体を包んだロニネで弾け飛び、もう一方がタフツァに向かって直撃した。

とっさに張ったロニネごと、怒気をはらんで爆風の視界を払いのけた彼は、二つのトゥウィフを左右へ飛ばし、敵1体の所でクラッシュさせる。

炎上を伴って爆発が起こり、バラバラになったロボットの腕や脚、胴体は転がったが、タフツァに浮かされて上空まで持ち上がり、後続の機体目掛けて、物凄い速度で叩きつけられた。

倒れた機兵群にも容赦はしない。
持ち上げては地面に叩きつけ、頭部を壊し、他の機体とぶつけ合わせて減じさせていった。

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