The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 01 節「魔都集結」

第 20 話
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さて、敵地へ攻撃を仕掛けるファラとフィヲはどう戦うのか。

二人の心を一つにしておきたい。
ファラもフィヲもそう思っていた。

「ロマアヤでは、ぼくが突破口を開いて、続くみんなが総攻撃をかけてくれた。
メレナティレではどこまでいってもきみと二人だけかもしれない。
一緒に、行ってくれるかい?」
「もちろんです。
二人の力を何十倍にもしてみせます。」

しばらく見つめ合って言葉にならなかった。

「フィヲ、狼のヴィスクがいる。
できればヱイユさんみたいに、あと何体か持っていきたいけど・・・。」
「時間がそれを許さないわね。
わたし、トーハさんにも力を借りていいと思うの。
きっと戦いの時を待って、備えてくれているはずよ。」

ファラは以前、シェブロン博士やノイ、トーハと共に馬車に乗ってリザブーグへ向かう道々の話を思い出した。

彼が生まれて間もない頃、当時のLIFEのメンバーで地下に隠れ家を持ち、味方を作りながら抵抗したという日々。
その場には確かにファラもいたのだ。
技師トーハも。

前の席から振り返って、笑いながら語ってくれたトーハの声が聞こえてくるようだ。

『ハハハ、・・・で言ってやったんだ、「見たか、これがわしの“LIFE”だ」ってな。』

剣士でも魔法使いでもない、古くからのLIFEメンバーである。
ファラはトーハに会って話を聞きたくなってきた。

きっと彼にしか見えていない大事なことがあるに違いなかった。

「ヱイユさんは、トーハさんの居所も知っているでしょう。
一晩、そこへお世話になれないかしら。」
「うん、そうしよう。
メレナティレにもリザブーグにも、トーハさんの技師仲間がいる。
それに、誰とでも話して分かり合える人だ。」

敵地にいて疑われず、しかも国策である機械産業に通じた彼の存在が、今の二人にとってどれほど心強く感じられただろう。

いつまで続くか分からない闘争に飛び込む瞬間が近付いてきた。

ファラは最愛のフィヲを守りきるために、またどんな時にも力を合わせられるように、そして“LIFE”の実現という悠久にして永遠の誓いを果たしていけるように、約束を交わした。

それは過去・現在・未来にわたり、性別を超えた二人の“生命”と“生命”が同じ一つの願いによって生死(しょうじ)を倶(とも)にしていくこと。
その生死(しょうじ)はいつも必ず師シェブロンの元に生まれ合わせよう、というものだった。

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