The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 01 節「魔都集結」

第 19 話
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風に揺れるカーテンから、まぶしい陽の光が差してくる。
港町は明るい朝に包まれていた。

ファラは船乗りたちが食堂へ降りて行く頃、ようやく目を覚ました。
フィヲはもう起きているだろうか。

窓をいっぱいに開けると、隣の部屋から彼女の横顔が見えた。
海を眺めている様子だ。
すぐファラに気が付いた。

「おはよう、眠れた?」
「うん、おはよう。」

着替えて嗽(うがい)をし、二人は一緒に降りていった。

食事の支度は宿の人が済ませていたので、奥さんたちも席について朝食をとることができた。

ファラは皆に声をかけながら、自分たちは今日メレナティレへ出発する予定だと告げていった。

「万一に備えて、お仲間も海外へお連れできるよう、ここで待っております。
ザンダ様がそのようにしてくだすったんで。」
「ありがとう。
だけど一つだけ、約束してほしい。
このフスカ港にまで危害が及んだ場合、迷わずロマアヤへ戻っていてほしいんだ。」

船長は皆の顔を顧(かえり)みた。
戦闘に立てる者はいない。
女性たちも犠牲にできない。
彼にはこの全員を守るべき責任があるのだ。

頭を振りながら、船長が答える。

「分かりました、こいつらとあの船はロマアヤへ帰しましょう。
しかしわたしは残ってお待ちしております。」
「大丈夫。
敵国とはいえ、味方も大勢、集まってきているんです。」

兵士ラムフォングが重ねて船長に言った。

「そのお気持ち、わたしがお預かりしましょう。
ロマアヤ先発隊を代表して、ファラ殿をお助けします。」
「ううむ、済まない・・・。
ザンダ様がこちらへ渡って来られる際には、またきっと力になりましょう。」

結局、船乗りたちは15日後までのフスカ滞在が決まり、その間の動きが話し合われた。

ラムフォングは御者ノスタムに頼んで山道を北へ、コダーヴ市南方のLIFE騎士団と合流することになった。
ロマアヤから運ばれた水と食糧はラムフォングのためにも宛がわれた。

船長はミルゼオ国周辺の海上交通について情報を集め、水夫たちは交代で船の番にあたる。

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