The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 01 節「魔都集結」

第 08 話
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曙光が差している。

乗組員たちはまだ眠っていた。

フィヲの姿が見えない。

ファラは起き上がって伸びをすると、船上へ出てみた。

操縦士が手であいさつしている。
ファラは頭を下げた。

フィヲは舳(へさき)の所にいて、長い髪が風に吹かれていた。

「フィヲ・・・!!」

振り返った彼女は目を拭って微笑んだ。
ヴェサのことを思い出していたらしい。

「ファラくん、疲れは取れましたか?」
「あ、うん・・・。
きみが、癒してくれたんだね。」

大地にはヒーリングの力があるが、大海も尽きることのない力で満ちている。

フィヲは身を削るようなことをしない。
ファラにヒーリングを与えながら、自分の体も十分に休めていた。
それでこそ最善が尽くせる。

穏やかな波が、陽光に照らされてキラキラ輝いていた。

「船長さんがね、朝食を取っている間にフスカへ着くだろうって。
ザンダが食糧を積んでくれているから、みんなの分も取りに行こう。」

案内されて船倉に下りていく。
ここでも水夫が数人、寝ていた。

「わあ、缶詰だ。」
「じゃあ、ぼく水を運ぶから、フィヲ、乾パンお願い。」

水夫が目を覚まして、二人が任せてほしいと言っても動き始めた。
だんだんと靴の音が聞こえ出す。

水と食糧が行き渡る頃、先に食事を済ました船員が交代して、船長が下りてきた。
船の後方では魚介を焼く匂いが漂っている。

慌ただしく港を発ったので、こうして顔を合わせるのは初めてだ。

だが、どの顔も見覚えがある。
ロマアヤ兵で海戦を得意とする者もいれば、その奥さんたちもいた。

「フスカに着いたら、みなさんはどうされますか?」
「当分、滞在しますよ。
ザンダ様から言われているんです。
シェブロン博士の他のお弟子さんと合流されるまで居させてもらいますんで。」

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