The story of "LIFE"

第 09 章「無尽(むじん)」
第 03 節「悪鬼魔民(あっきまみん)」

第 13 話
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ファラは、ゼネラル・セムワーの殺傷力の高い魔剣と組み合うことをしたくない。
組み合えば、幾つもの刃にやられてしまう。

斬撃をかわしてカウンター、あるいは武器破壊を狙う。

約15時間振りに魔法を使った。

リザブーグの城下町で、初めてこの無刃刀を持った時、重くて到底扱えなかった彼も、今では我が身の一部のように自由自在に操ることができた。

フィヲが甲板を叩き割るのに用いたのは「ゾー(重力)」で、高く持ち上げたロッドを、振り下ろす寸前で岩塊のように重くした。

一方ファラが攻撃の威力を増すためにいつも使うのは、武器に攻撃型ロニネを張る方法だ。
これで打撃の強度が上がるし、防御にもなる。

敵の武器と鎧を破壊対象と見なして、攻めて攻めて攻めまくる。

セムワーは恐れをなした。
一歩、後退りする。

ファラはそこを攻める。
相手を守りに回してしまう。

攻撃主体の魔剣が、ファラの連続攻撃をよけるためにのみ使われていた。

押していく中で、今こそ粉砕だ、というタイミングが現れる。
ファラは自ら作ったチャンスを最大限に生かすのが上手かった。

忌わしき魔剣を砕き、過剰防衛のフルメイルをも貫通させてやりたい。

相手が攻めの力を込められず、受けに徹している刀身のど真ん中。

見事に斬り貫(ぬ)いた。

セムワーの無様な魔剣は枝分かれした刃ごとに散らばり、柄の部分だけ握られていた。
兜が前のめりに外れかかっている。

あと二回・・・!!

ファラは無刃刀の刀身を、剣先から柄の部分までまっすぐ立てて、相手の体と平行に叩き付けた。
突き飛ばして体勢を崩させる。

獲物に狙いを定めて決して逃すことのない肉食動物のように、ファラの目は今、とれかかったセムワーの兜だけに集中していた。
ついに飛び掛ると、情けも容赦もなく、頭上から無刃刀で両断、金色の髪が解(ほど)けて前へ倒れた。

見事、真っ二つに斬られたのは兜だけだった。

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