The story of "LIFE"

第 09 章「無尽(むじん)」
第 02 節「所具(しょぐ)の法性(ほっしょう)」

第 06 話
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「できた、『次元断』・・・。」

それは、すでに斬った空間に、今、相手がいるという高速剣法だった。

実際に当たれば剣の速さが死んでしまう。

また、本当に真っ二つに斬れば生命はない。

速さを実現するためには斬らず、相手の生命を奪わず、両断されたという感覚だけを残すことが目的の剣だ。

ガトレーンが評して言った。

「はははっ、なかなかトリックがうまいな。」

フィヲはムッとした。
怒りによって、置かれている状況がそれほど困難ではないことに気が付いた。

その間、ファラは「ゾー(重力)」を起こし、気を失ったテンギを空中に浮かべると、非魔法場の中へ閉じ込めてしまった。

「さあ、何の用だ!?」

つかつかと歩み寄ったのはガトレーンだった。

「鬼神テンギか。
それにしても、一人の相手に二人がかりとは。」
「何よっ、わたしは見ていただけじゃない!」
「もしも少年が劣勢でもか?
見殺しにするつもりだった、とでも言うのか。」

フィヲは自ら腕の縛を解いてしまった。

「あなたたちは誰!?
セトの軍人ですか?」

女がフィヲに近付いた。
ファラは警戒した。

そこへガトレーンが割って入り、邪魔をする。

「私はロールウェール。
お嬢ちゃん、あなたに興味があるのよ・・・。」

フィヲはとても変な気持ちがして、嫌悪感を抱いた。

「そう、それでいいの。
彼が少年と戦う間、あなたは私の相手をしてもらうわ。」

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