The story of "LIFE"

第 09 章「無尽(むじん)」
第 01 節「天変地夭(てんぺんちよう)」

第 18 話
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北の方から、大セト覇国の侵攻が始まったと伝えられてきた。

ファラはいよいよだと思った。
どのような大軍が押し寄せても撃退しなければならない。

ロマアヤにはすでに“LIFE”が息衝いているからだ。

ザンダ=ゼオヌールの名前で会議が召集された。
話をするのはムゾール=ディフだ。

「総帥ニサイェバは発狂したと聞く。
外征大臣バツベッハが国家を掌握。
陸軍大将にテンギ。
並の将兵ならばどうにでもなるが、テンギ一人が出ただけで我が軍は壊滅するだろう。」

間を割ってファラが言った。

「ロマアヤ軍として、テンギのことを考える必要はありません。
ぼくが一切、引き受けます。」

沈黙が走る。
皆、次の言葉を待つが、少年は何も言わない。

ルビレムが声を出した。

「その気持ちは有難い。
しかし、ファラ殿お一人に奴を任せることはできない。」

そこをフィヲが遮った。

「ファラくんだけじゃないわ。
わたしがいます。
一人の軍人のために国やイデーリアの未来が左右されるなんて、絶対に許しません。」

ヴェサも場にいたが、反対するのではなく、フィヲに加勢した。

「二人がテンギを引き付ける。
別に倒すなんて言ってないんだよ。
シャムヒィまで、今まで通り、攻めていくのがいい。」

聞いている者はわけが分からない。
テンギを倒さず、どうやってシャムヒィまで行くのか。

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