The story of "LIFE"

第 08 章「星辰(せいしん)」
第 03 節「千手(せんじゅ)の鬼神」

第 02 話
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将軍テンギが議場を出、シャムヒィ市街へ入ろうとすると、数人の男に取り囲まれた。
その中の一人が発砲すると、20人ほどの顔を隠した連中が集まってきて、一斉に銃で撃った。

しかしテンギの体が弾丸を受け付けず、殺意の冷笑を浮かべて振り向くと、彼の胸元や首など目掛けて、男たちは斬りかかっていった。

最初の一人が、サーベルを握った手首を握り締められ、持ち上げられ、超長身の割りに短い足で蹴られると、血を吐いて地面に落下、体をうねりくねらせながら苦しんでいたが、テンギに踏みつけられ、やがて事切れた。

その間、背中は幾度も斬りつけられている。
だがどんな攻撃も効かなかった。

彼の目の前にいた男が瞬時に、骨になるまで焼かれると、人肉が燃える臭いで気分が悪くなってその場に動けなくなる者もいた。
一人、二人と殺害したテンギは、次の標的に手をかける。

腕の長さは彼の背丈に見合ったものである。
ところがその太さは尋常でなかった。

捕まった男は逃げられない。
この時テンギは抜剣さえしていないのだ。

男の首が握りつぶされると、頭部のいたるところから血が噴き出した。
テンギの体は表面にバリアが張り付いていて、黒い返り血も付着しなかった。

死体を蹴飛ばして、動けなくなり座り込んで震えている男にぶつけた。

せっかく正体を隠していることも台無しで、男は金切り声を上げて失神してしまう。

議場の扉が開いて、警備兵が様子を見た。

テンギは兵士には構わずに、逃げようとしている暗殺者どもを地面に縛りつけ、鎌鼬(かまいたち)で斬り刻み、結句、爆破して、その場を立ち去っていった。

彼らこそセト国のニサイェバ体制を影で支配する極右派である。

当然、この国には野心家もいれば左翼もいた。

ニサイェバの愚劣に辟易していたテンギは、あえてその場に、暗躍する極右派勢力の証拠品を多く残した。

そして、サディスト特有の痙攣的な激しい笑いをこらえようともせず、離れた所で彼を待ち伏せしていた別の数人をも、瞬く間に惨殺して、更にゲラゲラと笑った。

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