The story of "LIFE"

第 08 章「星辰(せいしん)」
第 02 節「烈日衝天(れつじつしょうてん)」

第 15 話
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要塞の攻略をルビレムに託したファラも、遠くから旗を見た。
しかし、これで安心する彼ではない。

「フィヲ!
ルアーズさん!
ザンダを助けに行こう!!
今日は長い戦いになるよ。
暗くなっても、必ずブイッド港を押えるからね!!」

負傷した者は、兵士が兵士を助ける形で、旧公国府まで退がる。
それでも残った兵力だけで1000まで膨れ上がっていた。

こちらへ差し向けられてくる軍港ブイッドからの兵が1000もある。
旧公国府へ攻め寄せる兵が2000であり、合計3000を、南下を阻止して食い止めるのだ。

戦闘を収めて西へ返すロマアヤ軍の前で、ファラは意識してフィヲの近くを選び歩いた。

「無理してないかい?
慣れない戦闘で疲れたでしょ・・・?」

フィヲは、ファラが寄るのを気付きながら、そちらを見ないでいた。
どうしても微笑の浮かんでしまう頬は、砂埃で可愛らしく色付いている。

ファラは手袋を外し、自分の汗の染み込んだハンド・タオルで彼女の頬を拭うと、愛おしさが溢れてきてしまった。

この時初めてファラの目を見たフィヲは、しめったタオルを嬉しそうに手で押さえ、こたえた。

「ザンダは私の弟なのよ!
ファラくんよりも早く、助けに行くわ!!」

二人の笑い声が弾けると、遠くから見ていたルアーズは思わず顔を赤らめてサザナイアの肩に飛び付いた。

「あらっ、うらやましいじゃない!
・・・サザナイアも、そう思う?」

日が高く懸かっている。
そろそろ兵士たちに食事を取らせてやらなければならない。

ルアーズに半ば抱き付かれながら、サザナイアは別の観点から感動していた。

剣と魔法に抜きん出た少年ファラ。
一瞬の判断に優れ、どのような悪意をも跳ね返す少女フィヲ。

その二人が、近付いたり、それぞれ動いたりしながら、きちんとお互いの動きを確かめ合い、守り合っている。

ああ、急いでロマアヤに来た甲斐があった。
こんなに素晴らしい出会いを、親友ルアーズがもたらしてくれたのだ。

「ううん、私、とっても幸せよ。
だって、あなたやアンバスがいるんだもの・・・!!」

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