The story of "LIFE"

第 07 章「展転(てんでん)」
第 03 節「古都の防塁(ぼうるい)」

第 14 話
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タフツァは少年ウィロを従え、巡査隊の皆と頷き合った。

「よしっ、このまま南東から破って、砦内へ進入する!」
「おおー!!」

インツァラでの爆撃は容赦なく続いた。
タフツァが放つ魔法は、一撃一撃が強烈な威力を持っている。
それでいて発動が速かった。

「タフツァさん、左利きなんですか!?」
「ああ。
僕たちの戦い方をよく見ておくんだよ。
きみも近い将来、誰にも真似できない“何か”で輝く時が、必ず来る。」

左の手指で魔法陣を立ち上げては、砦壁に向けて炸裂させていく。
ついに内部通路が見え、壁は打ち砕かれ、消し飛んでしまった。

「気を抜くなっ、突入するぞっ!!」
「はいっ・・・!!」

ウィロから目を離せないタフツァを気遣って、巡査隊の4人が駆け入った。
柱や壁に隠れながら、敵がいないか注意深く調べて、奥へ奥へと進んでいく。

1階には誰もいなかった。
それで西門前に出ると、4台の守衛馬車に囲まれた大きな馬車に、古代魔法学者ケプカスが乗り込もうとしていた。

「待てっ、ここで応じてもらおう・・・!!」
「ふっふっふ、生意気な小僧だ。
このザベラムを生きて出られたら相手をしてやる。」

門の左右に、3メートルほども背丈のある、獣型モンスターと爬虫類型モンスターがいて、タフツァたちを遮るように間へ入った。
5台の馬車が出発する。

怪物2体は、こちらの力量を窺うように見渡していた。

この時、巡査隊の忍者テヴァーンは、早くも爬虫類型の方へ、影となって回り込み、背後を取っていた。
即時に長い警棒で、両腕と首を絡め、相手の動作を封じた彼は、後方へ引き倒す体勢に移る。

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