The story of "LIFE"

第 07 章「展転(てんでん)」
第 03 節「古都の防塁(ぼうるい)」

第 12 話
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ヱイユは自身の居場所がヒユルに知られぬよう、回復半ばでカーサ=ゴ=スーダを発ち、小竜リールに手紙を運ばせた。
自筆だが、長文は書けなかった。

ヒユルの元へである。

『礼も言えずに心苦しい。
借りは必ず返す。
ゆえあってこの地を去る。』

彼がレボーヌ=ソォラにいないと知れば、LIFEや少数民族に探りを入れたりしないだろう。
これが今のヱイユにできる精一杯の守護だった。

タフツァだけでなく、ソマの手にも、2枚の手紙が届けられていた。
それは小竜リールが遥か南西の孤島から持ってきた、彼らの師・シェブロンの手によるものだった。

『ルング=ダ=エフサに流刑者たちの末裔の村を見つけた。
わたしとノイくんは彼らとともに生活している。
ここでは、前々からわたしが願っていた通り、ノイくんに家族を得ることができた。
相手は彼より7つ若い娘さんだよ。
メレナティレは、北の大陸「オルブーム」の侵略を画策している。
きみたちはレボーヌ=ソォラで、ファラくんたちはロマアヤの地で戦ってもらいたい。
二つの国を救う闘争が、流刑のわたしを助ける。
メレナティレ、及びリザブーグの民は、暴君カザロワの下で苦しんでいるに違いない。
次はメレナティレだよ。
一切、弟子に託す。』

ソマはアミュ=ロヴァ市民が、自らの手で未来を切り開いていけるよう、魔法教育に尽力している。
悪魔結社マーラの総勢を相手にするならば、LIFE騎士団や本陣衛の兵士だけでは到底足りないのだ。

一方、ザベラムの南東へ回り込む作戦で馬車に揺られながらシェブロンの手紙を読んだタフツァは、仲間が多く現れてきたことの頼もしさよりも、今回の大きなミッションの成否が、全責任が、彼の戦い如何(いかん)にかかっていることを改めて自覚した。

レボーヌ=ソォラを早く平定し、メレナティレへ入らなければならない。

彼にとって、闘神ヱイユが同じ天地に転戦してくれていたことは、大きな心の支えだったのである。
これからはタフツァの一手一手が着実な勝利の決定打となっていかなければならない。

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