The story of "LIFE"

第 07 章「展転(てんでん)」
第 03 節「古都の防塁(ぼうるい)」

第 11 話
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灰竜アーダは地上をじっと見つめている。
かわりに小竜リールが降りてきた。
手紙をくわえているようだ。

タフツァはリールの口から手紙を受け取った。

一枚目はヱイユからのもので、老婆の手で代筆されていた。
彼本人が書いたなら、次のようになったであろう。

『俺自身、負傷してしまった。
当分戦闘に立てそうにない。
西の大陸『オルブーム』へ渡り、しばらく『長老の木』で休もうと思う。
『ヒユル』という女には気をつけてくれ。
残忍な上、強大な魔法力を取り戻してしまった。
そいつは今のところ、俺の生命だけを狙っている。
LIFEや少数民族に害が及ばないようにしてきたつもりだが、お前には知っておいてもらいたい。
体力が回復し次第、俺は『ある難敵』を追わなければならない。
レボーヌ=ソォラと、皆を頼んだぞ。』

見上げると、ヱイユは再び微笑んで、アーダの背に揺られたまま、飛び去ろうとした。

「ヱイユっ!
ソマが心配している。
・・・どうか、彼女の所にも、姿を見せてやってくれ!!」

力の入らない手を、精一杯上げて見せているのが分かる。
タフツァは、幾度となく仲間の生命を、そして彼自身の生命をも救ってくれた戦友が、傷ついて余裕などないだろうに、笑顔を見せて無事を知らせに来てくれたことで胸が熱くなった。

しばらくしてアミュ=ロヴァの上空に至ったヱイユは、タフツァの時ほど時間を取れなかったが、ソマにも小竜リールから手紙を届けさせ、離れて手を振って見せた。

旧大使館の屋内にいたソマはバルコニーに出ると、ヱイユに向かって叫んだ。

「今度は、私がみんなを守るからっ。
ヱイユくん、きっと戻ってきて・・・!!」

魔天女ヒユルのキャンプで、ろくに火も与えられずに横たわっていたヱイユは、カーサ=ゴ=スーダへ行かせていたアーダが戻った時、助けられて上空へ逃れることができた。

そしてそのまま、少数民族の老婆の家で手当てを受けたのだった。

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