The story of "LIFE"

第 07 章「展転(てんでん)」
第 02 節「魔天女ヒユル」

第 22 話
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ニサーヤはもはや反撃できぬほどダメージを受けている。

消耗に次ぐ消耗は、闘神ヱイユといえども苦しい。
しかし手を緩めることは許されない。
テティムルを用いて、相手の魔力を奪いながら、間髪を入れず撃ち続けた。

『ここだ、方陣を出る。』

気付かれた時には相手からグルガの発動が来る。
放つ魔法は決めてあった。

何種類もの動植物を用いて合成してあるニサーヤの体に込められた「ドファー」そのものを、消し去ってしまおうというのだ。

方陣の中は、グルガを以ってグルガを禁じた状態だった。
そのエリアを抜けたので、やっとヱイユ自身もグルガを用いることができる。

身を軽くされて数メートル浮上させられたカコラシューユ=ニサーヤと、ヱイユの間に描かれた魔法陣は、世にも恐ろしい光景をもたらした。

ニサーヤがいた辺りの地面に、6人の女性と無数の蝶、1頭の白い肉食獣と、1匹の貂が、いずれも死に瀕した状態で横たわっているではないか。

「なんてことだ・・・、助けるには村へ・・・、だがこの夜中に引き受けてくれるだろうか・・・。」

ヱイユはガルーダを召喚してその背に女性たちを乗せ、急いでカーサ=ゴ=スーダの集落へ向かわせ、老婆を起こしてくれと託した。
アーダを同行させる。

続いてファラが修得していた、大地からエネルギーを借り受ける「ヒーリング」により、獣と蝶たちを助けようと試みた。

その時、白い貂だけが自ら動いてピンク色の光を描き、西に向かって、すごい速さで逃げ出した。

「しまった、意思の持ち主はあのイタチ、もしや人間の思考は利用されていたに過ぎない・・・!?」

人間の姿ではピンクの光に追いつくことができない。
アーダに変化すれば速度は上がるが、今は村へ行かせてしまった。

人間の生活の場と近いこの一帯で、むやみにゲルエンジ=ニルの姿を現したくなかった。
だがそう言っていられない状況である。

真っ赤な竜神の姿となったヱイユは、追いに追って、ようやくピンクに光る白貂(テン)を捕らえようという所まで迫った。

すると、核爆発に似た、凄まじい衝撃を伴う現象が起こって、イタチは遠くへ逃れ、竜神は不意を打たれて半ば直撃を受け、遠く吹き飛ばされてしまった。

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