The story of "LIFE"

第 07 章「展転(てんでん)」
第 02 節「魔天女ヒユル」

第 08 話
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やっとのことで、怪人ラモーは普通の人間の大きさに戻った。
醜い顔を手で隠して、彼はあまりの悔しさに泣いているようだった。

「おっと、あんたのような危険人物が、涙を見せたくらいで逃がしてもらえると思うなよ?
おとなしく捕まるか、もっと痛手を受けたいか、それは自分で決めるんだな・・・!!」

逃げようとするラモーに、大刀が襲い掛かった。
小さくなってみると、たったの一撃を背中に受けただけで、失神してしまった。

「よしっ、捕縛しろっ!
見張りは4人。
寝てるか醒めてるかを常に把握しろ、情けも容赦もいらねえ、絶対に油断するなよ!!」

こうして、悪魔結社マーラの首領の一人・怪人ラモーは、犠牲を出すことなく捕らえられ、アミュ=ロヴァへ連行された。


一方、テビマワ~ザベラム間で術士の行き来を遮断するために配備されていた、LIFE騎士団・第九部隊とヤエらサウォーヌの5人は、ナズテインの部下からの伝令があって、いったんアミュ=ロヴァへ引き返すことになった。
疲れを抱えたまま、テビマワの首領たちに向かわせるのはあまりに危険といえる。

スヰフォスを司令官とするLIFE軍として、今後の動きは、まずザベラムの兵力を探ることが第一である。
とともにテビマワへ集結中の首領術士たちの動向を監視する必要があるだろう。

また、タフツァが解放されたなら、戦場に出て騎士たちを指揮してほしいというのがスヰフォスの希望だ。
シェブロン博士が提唱した“LIFE”戦術に関して、彼は理解者ではあったが、タフツァはその実践者である。
愛する騎士団の成長のためには、本物の戦い方に、どうしても触れさせてやらなければと考えるのだった。

ウタックの第三部隊とハッボスの第十部隊も帰還させ、戦役のなかったオルグスの第四部隊とバグティムトの第八部隊はミルゼオ寄りから北上、テビマワへ接近させることにした。

モアブルグ付近に駐屯していたマシンクの第五部隊とラッツピンの第七部隊は、町の巡査隊に以南の守護を託し、一時テビマワ~ザベラムの南方まで上昇した。

そしてレンガーの第二部隊とヌザルムの第六部隊は引き続き東方の守護にあたる。

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