The story of "LIFE"

第 07 章「展転(てんでん)」
第 01 節「業障(ごうしょう)の苦(く)」

第 11 話
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「下衆共め・・・!!
今何と言った!?
黙れ!
二度とその言葉を口にするな!!
アミュ=ロヴァは神の都だ。
魔法は神の力を借り受ける儀。
それを、どうとち狂ったか、己の穢(けが)れた命から起こすだと!?
神を冒涜するにも程がある。
そのようなことを口にする者は、これから先、永久に、一人も残さず、縊(くび)り殺せ!!
貴様こっちへ来ぬか!
おい、こ奴をこの場で殺害しろ!!」

皆、震え上がった。
法皇に対して、憎悪の念を抱く者は一人や二人ではなかった。

国家も法皇の権力も絶対だと信じてきた。
しかしそれと同じくらい、“LIFE”という、万人の尊厳性に対する信仰には、畏敬(いけい)の念を抱いていたからである。

法皇に指名され、処刑にあたるよう命ぜられた元・第五隊の長は、膝をガクガクと震えさせていた。

ほとんどの者はヱイユの魔法によって、武器を取り落として失っている。

処刑せよと、今もし剣を渡されたならば、その切っ先は法皇に向けてしまいそうな衝動に駆られていた。
他の兵士たちの中にも、同じ気持ちの者が少なからずいるのだ。

その時、法皇と同じく、魔性に取り憑かれた一人の狂信者が現れて、一同を睨(ね)め回すと、聞き苦しい怒声を放った。

「内衛士団は誉(ほま)れある法皇軍だぞ。
法皇様の命令は絶対だ。
我々の魔法も神のお力に他ならぬ。
これを冒涜する者は死罪も当然!
竜の化け物がどうした、恐いか!?
剣をよこせ、俺が執行する。」

ざわめきが起こった。
ルヴォン後任の第二司隊が進み出て、鋭利な両刃刀を渡した。

「はっはっは、いい気味だ。
儂が魔法を撃ち込んでくれる!
よく見ておれ、テビマワも、ザベラムも、マーラも、虫けら共は皆、こうなるということをな!」

真っ赤な、熱い血潮が飛び散った。
執行にあたった狂人は異常な叫び声を上げた。

首を切られた兵士は横たわり、そこへ法皇が立て続けに魔法を撃った。

パティモヌ(水)、ザイア(冷気)、ズーダ(熱)、フィナモ(炎)、インツァラ(爆発)・・・。

装備品も、肉片までもが憎いらしく、何度も、何度も、爆破した。

法皇が疲れて魔法を途絶えさせると、魔性と狂気によって従っている人非人どもは踊りかかり、赤く染まった大地を、滅茶苦茶に踏み躙(にじ)ってしまった・・・。

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