The story of "LIFE"

第 07 章「展転(てんでん)」
第 01 節「業障(ごうしょう)の苦(く)」

第 01 話
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古都アミュ=ロヴァで市民たちが魔性との決別を誓い合った、その同じ日、悪魔の化身に率いられた憐れな軍隊は城塞テビマワを包囲し、ついに攻撃に踏み切っていた。

奇襲を掛けると躍起になり、強行軍による士卒の疲労など省みず、深夜の第一戦が断行されたのである。

悪魔結社マーラが、テビマワへアジトを移してきたのには、火災によるザベラムの消失だけでなく、前々からの計画があった。
それはレボーヌ=ソォラの主導都市であるアミュ=ロヴァへ、戦線を拡大することを意図していた。

つまりテビマワでは臨戦態勢を敷いているのだ。
深夜の攻撃など、始めから警戒されていて奇襲に成り得ない。

砦壁(さいへき)の周りには石像が配備されていて、接近とともに、それらはモンスターとなって動き出した。
そして内衛士団へ襲い掛かってきたのである。

動植物が持つ、気候の変化による「休眠」を利用した生物兵器・魔法兵器であり、外甲は固い石材でできているものの、一つ一つが“生命”を持っていた。

狂気によって高まっていた戦闘本能は、これら異型の魔物に対しても立ち向かっていったが、剣撃は砕かれ、魔法は受け付けなかった。

金属の鎧や盾もボコボコにへこまされてしまい、兵士たちの動きは鈍っていった。

更には砦壁を飛び越える勢いで、モアブルグの周辺にいた「単眼の野犬」が無数に現れ、軽装の魔法使いたちは後退を余儀なくされる。

守りの弱い犬の魔物たちは次々に斬り殺されて一面に倒れ、鎧は血に染まって、悪魔の軍隊はどちらであるか、もはや見分けもつかなくなっていた。

敗色に染まったアミュ=ロヴァ軍へ、砦の方からは魔法弾が飛んできて、地面で次々に爆発した。
内衛士団の魔法使いたちは撤退してしまったので、魔法攻撃を防ぐ術がない。

士卒が倒れ、あるいは逃げ去って、辺りは合成生物の死骸と死傷した兵士で足の踏み場もなくなってしまった。

軍の後ろから非常識な命令ばかり飛ばしていた法皇ハフヌ6世は、逃げ帰ってくる者たちを散々に罵倒したが聞かず、飛んできた魔法弾にバリアを破られて、ようやく戦況の不利を思い知らされたらしい。

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