The story of "LIFE"

第 06 章「使命」
第 03 節「総力戦」

第 07 話
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山羊の怪物「エンリツァーカ=ギール」を、あと一歩というところまで追い詰めると、フィフノスは使い魔を魔法陣に収め、次なる魔物「モルパイェ=フューズ」を呼び出した。

応酬はこれを繰り返すばかりだった。

ではフィフノス本体、人間の体には攻撃できないのか。

なぜといって理由は見当たらないのだが、そればかりは、闘神ヱイユの力を以ってしても、ただの一撃も入れることができなかったのである。

彼はレボーヌ=ソォラに来ていたパーティのうち、アミュ=ロヴァに捕らえられたタフツァとソマを除くメンバーを、ルモア港からフスカ港へと逃がし、リザブーグに行って北の状況をノイらに告げ、魔法使いファラには特訓を与え、道を示した。

それから再びレボーヌ=ソォラへ戻る空路、宿敵「ゲルエンジ=ニル」を倒し、味方に付けることもできた。

だがヱイユの表情は憔悴していた。
前回戦った時よりも優位であることは明らかなのに、肝心のフィフノスが、どこにも見当たらないのだ。

そんな中、アーダが来て、シェブロン博士の手紙を届けてくれるとともに、タフツァが拷問に遭っていることを知らせた。

これ以上、長引かせるわけにはいかない。
LIFE騎士団はアミュ=ロヴァに入ろうとしている。

もしも、万が一、スヰフォス学師の作戦が始まって、フィフノスが現れ、せっかく育った騎士団が、悪魔の餌食にでもされたら・・・。

罪の軽いソマだけでも、連れ出せないだろうか。

彼は姿の見えない相手を探すより、今度はソマの面会人となってオフサーヤ宮殿に入り、内情を探っておくほうが、事態の打開につながると感じ、焦る気持ちを抑え、引き返すことにした。


翌日の午前中、歩いてオフサーヤに通されたヱイユは、ものものしい雰囲気を見て、これはまずいと思った。

二階の方から、士卒を大勢伴い、法皇ハフヌ6世が現れた。

「少し多く殺したくらいでいい気になりおって!
油断しているところを殲滅するのだ!!
今度は誰にも邪魔させんぞ。
いいか、身を粉にして戦うんだ、家族のことは心配するな。
お前たちが攪乱(かくらん)しているところへ、儂(わし)自ら高位魔法を撃ち込んでくれる!!」

どうやら、内衛士団の総勢で、テビマワに攻撃を仕掛けるつもりらしい。

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