The story of "LIFE"

第 06 章「使命」
第 03 節「総力戦」

第 02 話
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古都アミュ=ロヴァへ入る直前、司令官スヰフォスは前団と後団を合流させ、部隊長10名を集めて意思を伝えた。

「現地の軍隊である『内衛士団』とは絶対に行動を共にしない。
彼らに理屈で“LIFE”を分からせようと思っても無駄だ。
我々は独自の作戦を展開することで、“LIFE”の戦い方を広く世に示す。
どちらのやり方が民衆の支持を集めるか、はっきりさせようではないか。」

隊長たちは賛意を示し、声をそろえて「応!!」と言った。

「共同作戦も引き受けない。
戦闘の手段や方法についても、一任された場合のみ受け、全力であたる。」

LIFE騎士団は少数精鋭の部隊である。
大きな軍隊に飲まれれば、遠くから派遣されてきた意味がなくなってしまうのだ。

「攻勢をかけるため、いつもアミュ=ロヴァへ戻るわけにはいかない。
しかし、一応の滞在場所として旧リザブーグ王国の大使館が開放される。
レボーヌ=ソォラにはまだメレナティレからの大使は来ていない。
新国王カザロワは戦争のことしか考えていないだろう。」

悪魔結社マーラの脅威が去ったら、次なる戦いはメレナティレの、軍事路線からの解放だ。

そしてここからが具体的な作戦の発表となる。

「第二部隊と第六部隊は東の国境付近へ赴き、少数民族の村カーサ=ゴ=スーダにマーラの術士が入らぬよう、守りを固めてほしい。
決戦は屋外、できればテビマワ周辺かザベラムがいいと思う。
また、モアブルグには『巡査隊』がいて安心とも言えるが、第七部隊が駐屯して守るように。
彼らとならば共同作戦を取ってもよい。
その他の部隊については、アミュ=ロヴァと打ち合わせ後に決める・・・。」

槍使いのマシンクが質問した。

「内衛士団がこちらの作戦に干渉してきた場合はどうします?」

スヰフォスは頷いて答えた。

「第一部隊が、本国で彼らとの連絡を行う。
内衛士団は当面、ザベラムの調査や、テビマワ攻略の準備を進めているようだが、悪魔結社マーラとの会戦は全てLIFE騎士団に任せてもらうつもりだ。
万が一、手を出すようならば、戦場から撤退しろ。
戦うたびに死傷者を出している軍隊のやり方には従わない。
アミュ=ロヴァとの協議で、これを第一の条件として提示してくる。」

続いて大刀使いのハッボスが尋ねた。

「我が隊は魔法使いとの戦闘に慣れていないのですが、遠くからの攻撃をどのように回避したらいいでしょうか。」

それは第十部隊に限ったことではない。
LIFE騎士団にも魔法を使える者は少々いるが、どちらかというと武器と武器の打ち合いに特化した訓練を行ってきた。

「実際に戦闘するのは、最後の最後、1回だけに止(とど)められれば好ましい。
その時はタフツァ殿とソマ殿に援護していただくか、闘神ヱイユの力を借りたいと思っている。
今回のミッションのポイントは、こちらの戦法が最大限に力を発揮できる情勢へと、敵を誘導することにある。」

これには、すでに聞かされているナズテインを除き、部隊長たちが顔を見合わせて驚いていた。
皆、剛の者であるが、“LIFE”に目覚めてからは無益な戦闘を好まなくなった。

王国騎士時代に志した剣の道が、LIFEとの出会いで、人類規模の課題にまで挑む大道へと通じていたのだ。

しかし、故国の妻子にも、友人たちにも、自らの生き方を通して、“LIFE”をどうしても教えてやりたい。

双方から犠牲を出さず決着しようとしているスヰフォスの指揮下で戦える光栄に、彼らは舞いをも舞いたい気持ちであった。

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