The story of "LIFE"

第 05 章「宿命」
第 02 節「“LIFE”を継ぐ者」

第 14 話
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ヱイユは、フィヲたちが先の見えない不安から開放されてきたところで、大事な話があると言って切り出した。

「師であり、恩人であるシェブロン博士が、“LIFE”の実現を弟子に託そうとされている。
レボーヌ=ソォラでは、もし博士がタフツァの立場でも、同じ行動を取られただろう。
だから俺はタフツァを尊敬する。
じゃあ、捕らわれたソマとタフツァを除いて、俺たち弟子には、今何ができると思う?」

ザンダが口を開いた。

「おれ、だんだん、元通りに魔法が使えるようになってきたんだ。
ヱイユさんみたいに強い力をつけて、タフツァさんたちを助けにいくよ!」

これを聞いてヱイユは思わず苦笑いを浮かべた。
彼自身、同じことを考えた時期があったからだ。
そうやってLIFEを陰ながら護ってきたのも事実である。

しかし今、もっと別の答えを出せるようになった自分がいる。

「どんな暴君も、大多数の民衆の声には敵(かな)わない。
武器など持っていなくても、魔法が使えなくても、真実に目覚めた民衆が手を取り合って立ち上がる時、人々を狂わせ苦しめた魔性は消え失せるんだ。」

真実。
そこに虚偽は存在できない。
たとえ一時、人々を扇動することで、狡猾(こうかつ)な権威欲者どもがのさばったとしても、その嘘は、たちどころに暴かれて、次の攻撃の的(まと)となるだろう!

そして民衆が賢明であるならば、彼らに地位を与えるよりも先に、その虚偽と害悪とを数え上げ、断罪し尽くすべきである。

「民衆が、『真実』に目覚めるっていうのは・・・。」
「博士がされてきたこと、そのものだろうね。
どこへ行っても人を育てる。
正しいことをしたために、敵に追われなければならない無知の国もあるが・・・。」

ヴェサが話すのを聞きながら、ヱイユの脳裏に、ふと、地下で抵抗を続けていた幼少の頃の情景が浮かんできた。

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