The story of "LIFE"

第 05 章「宿命」
第 02 節「“LIFE”を継ぐ者」

第 11 話
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一行がいつも宿泊している3階建ての宿では、フィヲ、ザンダ、ヴェサと、それぞれが不安や苦悩の中にあった。

前回、シェブロン博士が使っていた2階の大部屋に全員で入っている。

タフツァがヱイユに助けられてモアブルグへ戻り、手当てを受けている間も、文献を調べていたソマたちに、ある時、巡査隊のゴーツが危険を知らせてくれた。

「テビマワ攻略の大敗は、第二司隊ルヴォンとギュバ導師に全ての責任があります。
しかしアミュ=ロヴァは、生還したルヴォンの証言などから、タフツァさんに罪を負わせようとしているのです。
無実の罪ではありますが、軍からの罪状がまとまり次第、宮殿オフサーヤへ連れていかれることでしょう。
ここは、少しでも早くお逃げください。」

古都の高位魔法使いであるギュバは、自らの指示で焚かせた六芒星の篝火(かがりび)によって、逆に黒ローブの術士たちに力を与える結果となり、自棄(やけ)になって法杖を振るっていたが、万策尽きたところを敵に包囲され、ボロ布のようになるまで魔法を撃ち込まれてしまった。

それでもなお一命を取り留めたことは奇跡かもしれない。
未だ床に倒れて唸り続けているという。

ヱイユからの宣戦布告を受けた悪魔使いフィフノスは、常に古代語で話すため、何を言っているか分からないものの、挑戦を受ける意を示した。
タフツァをソマたちの元へ送り届けてヱイユが戻ってくるまで、約束通り付近にうろついて待ったいたのだ。

数度の応酬を経て、フィフノスとヱイユの決着は次の戦闘まで持ち越された。

その後テビマワは周囲に結界を築き、出入りできるのは悪魔結社マーラの一味だけとなっている。

少女フィヲにとって、あまりにショックで忘れられないのは、タフツァを助けながらモアブルグから馬車で南下して、ルモア港に着こうという時の出来事だった。

後方から追ってきたアミュ=ロヴァ軍の馬車が、一行の馬車に並びかけ、無理矢理停車させた。

そしてまだ自分の足で歩けないタフツァに、本人であることを確かめた、第何隊かの長が、彼を馬車から引き摺り下ろし、無抵抗にもかかわらず、三度殴りつけたのである。

ソマがタフツァをかばって分け入り、この司隊の頬をはたき倒したため、彼女も取り押さえられた。

魔法で戦闘になりかけたソマをタフツァが制して謝罪し、二人が連行されたのである。

残った3人とライオンのドガァが捕らわれなかったのは、人数の上で敵わないこと、中心者2人を連れ帰れば隊の役目を果たせることが理由に挙げられるだろう。

そのことがあってからフィヲは、恐怖と悲しさのあまりひどく塞ぎこんでおり、船の上でも宿に着いてからも、ほとんど自分の布団で寝込んでいる状態だった。

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