第 05 章「宿命」
第 02 節「“LIFE”を継ぐ者」
魔法エネルギーを電気エネルギーに換えるというのか。
「魔力をテダンに変換すればできそうなことだな。
だけど、このまま吸わせていたのでは・・・。」
力を得た手前の機体は、片腕に魔法エネルギーを充填している。
それが、飛ばされたルアーズのほうへ向けられると、ピンク色の魔導砲が発射され、木々を撃ち抜いて地面を吹き飛ばした。
彼女はどうにか樹上へ逃れたが、あれを何度も撃たれたらたまらない。
「ルアーズさん!
まずいな、2体が連携するなんて。」
一か八か。
少年が思いついたのは、城下町で自分の魔力をテティムルで取り出し、ルアーズに与えたように、今、奥の機体に吸われていく彼自身の魔力の流れに上乗せする形で、テダン+テティムルのエネルギーを注いでやるのはどうか。
大地から供給を受けつつ、相手の許容量がどれほどか見極めて注ぎ続けてみよう。
これにより、無属性だった吸収魔力が性質を換え、ロボットたちのパワーである電気エネルギーとなって注がれ始めた。
想定外の過剰な供給により、蓄電量を越えた電気が紫機体の体内で暴走する。
やがて相手からのテティムルが止まった。
紫の「インプ」は異常放電して動作が停止している。
「今度は全部、奪ってやるぞっ!」
大地からのヒーリングを解いたファラは、今まで奪われていた魔力の流れを逆にして、すでに壊れている「インプ」から余分なエネルギーを取り返し、今度は青色の「アンプ」への攻撃に備える。
腕に取り付けられた魔法銃は、1回や2回くらいの攻撃魔法ならば吸収して、撃ち返してくるだろう。