The story of "LIFE"

第 05 章「宿命」
第 01 節「民衆と国家」

第 08 話
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大声援の中ファラが闘技場に立った。
全身鎧の着用を奨められたがこのままでいいと言った。

剣を握った時のファラの強さは知れ渡っている。
もしこの少年とあたったらためらわず鎧を着るべきだと誰もが考えていた。

対戦相手の魔剣士ボルフマンは元々のリザブーグ騎士ではなく、町に滞在中の旅人である。
LIFE騎士団の訓練に加わって少年の戦い振りを見てきただけに、彼もフルアーマーで固めることにした。
全身、藍色と青紫色の模様が描かれた装備で覆っている。

まだざわざわして試合が始まる前、ファラはボルフマンに近付き、話しかけた。

「あなたは旅をされていますね。
・・・ずっとここに?」
「いいや。
旅を続けるさ。」
「LIFE戦術をどのようにお考えですか?」
「剣の道ではないな。
飽くまで我が魔剣術を陶冶(とうや)する目的でここにいる。」

ボルフマンの魔剣は、刃はないものの、刀身から枝分かれしたたくさんの鋭利な角(つの)状のものを持っていて、これに引っ掛けるだけでもかなりのダメージを与えられる。

また、鎧の一部になっている小型の盾は、短い円錐形の金属のトゲを備えた攻守両用であり、総合してどんな攻撃が飛んでくるか計り知れない。

ファラはさっきのルアーズの話から、まず勝つことを決めた。
相手がLIFE戦術に依らず、魔剣という別の立場から戦いを挑んでくるならば尚更だ。

ただし、試合のルールで魔法の発動は禁じられている。

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