The story of "LIFE"

第 05 章「宿命」
第 01 節「民衆と国家」

第 06 話
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続いて、両手にショートソードを持つ剣士ラッツピンと、大きな盾にフルアームナックルによる肉弾戦を得意とするヌザルムが対戦する。

ラッツピンは、相手の盾が視界を狭めているのは戦法的な欠点だと考え、これを突くように、連撃を入れる素振りを見せた。
しかしヌザルムは盾を構えない。
逆に、防衛機能の高いフルアームナックルで武器を掴み取ろうという作戦らしい。

ここでラッツピンは、相手の両腕を変幻自在の武器とみなした。
あの両手がもし槍ならば、横薙ぎに払ってかわし、胴体に打撃を与える以外なかろう。
そして盾の重量があるため、素早い動きはできないに違いない。

ヌザルムが剣を奪いにかかった。
ラッツピンは、相手が盾を持っている左手ではなく、フリーの右手を狙って左から小手撃ちした。

ガツンと音がして両者とも打撃の痛みを受けた。

とっさにヌザルムが左手からのパンチを繰り出し、それが盾によるエルボーとなってラッツピンの正面を捉える。
3メートルほど後方へ飛ばされたが、水までは後がある。

どうすれば盾を防衛に構えるだろうか。

ラッツピンは2本の剣を鞘に収めた。
彼らの剣術の基礎である拳法で、肉弾戦を挑もうというのだ。

ヌザルムは主に右手からの拳が武器であるから、両手で拳を打てるラッツピンよりも攻撃面で不利になった。

武器がなくても戦闘に事欠かない相手だと見たヌザルムは、次の作戦を考えざるを得ない。
盾で押し出し、拳を打ち込む、連続攻法を取ることにした。

ラッツピンは攻撃をかわしながらフィールド内で逃げ回る破目になった。
だが、隙を探っている。

何度かよけてみると、ヌザルムの盾による突撃を、身を引いてかわした後の、次の攻撃が来るまでの間に、多少動作の鈍い所があると気付いた。

そこで遠めに引いて、すぐに踏み込み、盾を駆け上るようにして頭上を取った。

ふいに両脇の鞘から2本の剣を抜き上げると、ラッツピンはヌザルムの冑めがけて一撃、二撃、落下の速度で叩き入れてしまった。

これも勝負あった。
審判が間に入って、ラッツピンの勝利を宣言している。

「面白い試合だったわ!
次は私の出番よ。」
「あ、がんばってください!!」

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