The story of "LIFE"

第 05 章「宿命」
第 01 節「民衆と国家」

第 05 話
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サウスウエストタウンのトレーニングジムには2つのバトルフィールドが設けられた。
20メートル四方の石材の闘技場と、それを囲う側溝に水が張られている。
他人の戦法を見て学ぶために、これを2階から観戦できるようにした。

試合のルールは、刃物の使用禁止、降参した相手への攻撃禁止、審判が勝負あったとみなせば試合終了、水に落ちたら負け、と定められた。

騎士たちはすでに殺傷目的の戦闘とは決別したのだ。
刃物は生きるか死ぬかの実戦でなら使わざるを得ないかもしれないが、スヰフォスからの推薦もあって全員が棍棒や刃のない剣や槍などを身に着けている。

ルアーズはカタールナイフだけでなく、メタルナックルの類も愛用していた。
自身の訓練を兼ねて、ファラとともに試合へ参加することにしたのだ。

開会にあたって、対戦相手は自分の腕前に磨きをかけてくれる存在とし、互いに尊敬し合うことが誓われた。

今、戦士オルグスと槍使いのマシンクが闘技場に立っている。

オルグスは先端が円盤状になっている短い棒を構え、相手の仕掛けを待った。
二又の長い槍を持つマシンクが、そのレンジ(間合い)を生かして突きを繰り出す。

オルグスがひらりと横にかわしたので、マシンクはそのまま薙(な)ごうとした。
するとオルグスは短い棍棒で槍を受け止め、ぐんと押し返した。

マシンクが体勢を立て直そうとする隙に、オルグスは相手の槍の柄を掴むと、棍棒の先に付いた円形の平らな部分で、胸部を力いっぱい突き飛ばした。

マシンクが水に落ちて、ここはオルグスの一勝である。

満場の仲間たちが歓声を上げる。
オルグスは顔を上気させ、目を輝かせていた。

「犬に乱暴した時とは別人のようね。
あの子も傷が癒えて、サウスイーストへ帰せたわ。」
「LIFEの騎士団ができてよかったです。
それにしても、今の試合をどう見ましたか?」
「オルグスが先手を取らなかったのも、武器の特性というか、槍との相性を考えているわよね。」

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