The story of "LIFE"

第 04 章「開戦」
第 03 節「人生の師」

第 11 話
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いくら味方でも、背中を取らせて無事で済んでは特訓と言えない。
打撲を負ったファラは不覚を悔いながら膏薬を塗ってもらっている。

「あなたは、武器を持った時は別よ。
拳法自体にこだわらなくていいわ・・・。」
「すみません。
せっかくルアーズさんに稽古をつけてもらえるんですから、ぼくなりに何かを得なければ。」

この日は曇り空で、だんだんと薄暗くなってくるように思えた。

「『攻め』に徹するには、相手の動きが見えていることと、力関係の上できちんと回避できること、好機を作ること。
一撃に威力を込められること。
失敗してペースを握られた場合の切り崩し方。
そして瞬間瞬間の判断力を身につけることね。」
「力と速さ、体格など、全て相手が上回っていると分かった場合は・・・?」
「その時は逃げる。
戦場で死ぬことが戦術としての拳法の目的ではないもの。
特に私たちの『活人剣』やあなたの“LIFE”思想では、制圧しようとする暴力に対して、その行使を中断させることと、味方を守りながら場を切り抜けることがまずは大事よね。
そのために魔法の力も借りるし、相手の武器を破壊したっていい。」

ファラは痛みをこらえながら、笑いが込み上げてきた。

「拳法の試合で出る甘さはきっと、剣を握って盾を持っても出るんだと思います。
どうかこの特訓を続けさせてください。」

城下町の外は「非統制機」と呼ばれる不良品のロボットが徘徊していることから、ノイとの演習にしても、あまり遠くへは行かない。
今また川まで来て休憩を取っていたが、遠くから確かに砲音が聞こえた。

異変を感じた二人が臨戦態勢を取ると、3機の大型ロボットに追われた機械兵がこちらに向かってきており、途中で躓(つまず)き倒れてしまうのが見えた。

中央の機体がアームからミサイルを撃ち込んで、火炎を伴う爆音が轟いた。

そのまま行ってしまうかと思えば、ロボットたちはこちらを感知したらしく、接近してくるようだ。

右に魔法シールドとミサイル砲銃を構えた機体。
左に赤く光った長い棒状の刀剣を持った機体。

ファラは両腕の錘(おもり)を置き、鋼の無刃刀コランダムと魔鉱石の盾インブルを身に付けた。

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