The story of "LIFE"

第 04 章「開戦」
第 02 節「時の覚醒(かくせい)」

第 02 話
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港町フスカからリザブーグ城下までは馬車で半日ほどの道のりがある。

一行は今、国境の手前で一晩を明かすためにキャンプで逗留していた。
古都アミュ=ロヴァの南方からリザブーグ王国の東方にかけて、南北に長いこの国は「中立自由市国ミルゼオ」という。

リザブーグ王国周辺の森には危険な動物もいなければモンスターも現れない。
代わりに警備用のロボットが巡回しており、インプットされた野生動物のデータに該当しないものは、IDを身につけていなければ攻撃の対象にされてしまう。

そのロボットたちが、どうやら国境を越えて侵入してきているようなのだ。

「20年近く前、まだ私たちが兵士だった頃も所々に警備兵は置かれていました。
それが機械兵に変わったのは近年のことです。
元々ミルゼオは誰でも出入りできる国で、リザブーグへ入国する時には通行証が必要だったのです・・・。」

LIFEの一行が数百年前の封印に使われた「古塚」を見て回る旅の途中、王国領メレナティレで機械兵に襲撃されるという事件が起きた。
その後、本国とメレナティレの間で機械の開発と使用に関する意見の対立が生じるなどして、緊迫の状態が続いているらしい。

「ぼくも父とはぐれてからずっとミルゼオを旅してきました。
機械兵がいれば治安はいいかもしれませんけど、逆に物騒な感じがしますね。
それに、通行パスを求めるなんて。」
「午前8時になると関門が開きます。
陸路での出入国をここまで制限しているのですから、リザブーグはほとんど孤立しているようなものでしょう。」

半年ほど前からの内紛で、他にも不可解な現象が起きていた。
それは巡回するロボットが、「非統制機」とよばれる、管轄外のロボットを攻撃・排除する光景が見られるようになったことである。

今度の道中も、人に害を及ぼす野良ロボットに阻まれて已(や)む無く馬車を降り、馬を攻撃されぬよう、ノイや博士が応戦する場面もあった。

巡回ロボットたちは逃亡する「非統制機」を追って国境を越えてしまっているようだが、関門でIDを受け取る前に彼らと遭遇した場合、通行人も排除の対象とされるのではないか。

両国を行き来する馬車にはリザブーグの通行証が与えられており、これまで警備ロボットに危害を加えられるということはなかった。

国境に近付いてたびたび遭遇するようになった機械兵たちは銃器を装着しておらず、対象を判別して歩行による追跡を行い、棍棒で攻撃するだけの行動パターンを持っている。

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