The story of "LIFE"

第 04 章「開戦」
第 01 節「憎悪の対立」

第 13 話
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「近年、ザベラムとリザブーグ王国が内通していたらしい。
あの古屋敷は、ザベラムと半島のルモア港、王国港ミナリィを行き来する拠点として使われていたようだ。」
「タフツァが戻ったら、一度ルモアからフスカの港に戻りましょう。
そこで博士と合流できるように。」

「助けに行かないのかい?
タフツァさん、あんなに頭の固い連中と一緒に行って、作戦も何もないんじゃないか。
下手したら・・・。」
「国内が荒れている時だから、博士でもきっとみんなを連れて行ったりはしないはずよ。
かといって、私一人で行くのはあまりにも無謀だわ。
それに・・・。」

ソマの記憶の中で、もう一度ヱイユの声が聞かれた。

「今、私たちの行動はヱイユ君に護られているのよ。
タフツァのことは彼に任せて、二人とも一日ゆっくり休んだら、少しずつ魔法力を回復させるようにして。」
「ドガァもじきに包帯が取れるだろう。
すぐ動きたい気持ちは分かるが、今日は書物の中から、フィヲとザンダに新しい文字や使い方を教えることにしよう。」

モアブルグは依然として警戒態勢が敷かれている。
普段よりも多くの動員がなされているが、それに加えて隊の一部をザベラム調査に向かわせなければならない。

ゴーツからの情報によると、ルヴォン率いる第二隊は、テビマワがアミュ=ロヴァに近いことから、本国に要請して第四隊と連携のもと攻めるつもりらしい。

危険集団と軍隊の衝突。

タフツァにどこまで食い止められるだろうか。
魔法学者ケプカスや怪人ラモーとの対峙を見ても、相手が一人ならばタフツァの魔法力が上回っているかもしれない。

しかし、双方が殺意を持ってぶつかり合う戦場の中で、どちらの犠牲も出さずに、自身も無傷で済まされるとは到底考えられない。

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