The story of "LIFE"

第 04 章「開戦」
第 01 節「憎悪の対立」

第 11 話
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湖畔の屋敷から押収してきた書物の中には、LIFEの一行が探し求めているような魔法の応用について書かれたものや究極の発動法に迫ろうとするものだけではなく、古くからザベラムを一大拠点として進められてきた恐るべき計画と、技術開発について記したものまで次々と見出されていった。

つい先頃まで行動をともにしていた魔法剣士ヤエは、レボーヌ=ソォラが今直面している問題を、現場からの視察報告という形で古都アミュ=ロヴァへ提示するために戻っている。
数日という短い時間ではあったが、一行とりわけソマが彼女から受けた影響は大きなものだったと言えるだろう。

幼少期より自らの魔法力と知識とを育み、生きること・戦うことの意味まで教えてくれたシェブロン博士。
ソマは今回の旅も、博士からの指示として何一つ疑いもせず、その目的を自分で考えることもなく来てしまったのではないかと気付かされずにはいられなかった。

つまり身近に接したヤエという女性は、出身地であるアミュ=ロヴァ内だけに止まらず、闇の都市ザベラムや寒村テビマワ、モアブルグといった祖国レボーヌ=ソォラ全体の未来をも考え、更に広くはこの世界が抱えている「魔法の用途」という問題にも深く関心と責任を持って自らの意思で行動しているように思われるのだった。

そのヤエが出かけていき、LIFEの中でのパートナー的存在であるタフツァもパーティリーダーとしての自覚でテビマワへ出発してしまった。

仲間たちは自身の生命を危険に晒しても守るべきものがあるというのに、自分だけこの安全な部屋にいていいものなのかという焦りで苛立ちを感じもする。

そんな彼女の、古代語辞典を片手に書物の解析を進める目に、ある不可解な記述が飛び込んできた。

“LIFE”に曰く、
大宇宙の生命とその法則。
小宇宙の生命とその法則。

大小を貫く法則のコントロール。

個々の生命に具わる魔法の消滅。

すなわち、大宇宙の生命に具わる魔法の消滅。

邪神の復活は成り、残る命題は黒き支配。

「大変、ヴェサさん・・・!!」

悪魔復活の研究を重ねてきた人々が、次に目を向けたものは“LIFE”であり、しかもその思想は逆手に取られ、いかに生命と世界とを支配するかに利用されようとしている、――もしそうだとしたら、一刻も早くシェブロン博士に知らせなくてはならない。

古代語で書かれた文書はフィヲやザンダには読めなかったが、ただならぬ緊迫感に二人とも戦慄を覚えた。

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