The story of "LIFE"

第 04 章「開戦」
第 01 節「憎悪の対立」

第 10 話
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古文書の解読作業にあたっているソマとヴェサにもいくつかの発見があった。

魔法の描く「軌跡」には、自然界で起こる多様な現象に対応するためのあらゆる表現が可能であり、その一つ一つに「制御文字」が存在するということ。

また、魔法の威力には使用者の魔法力の10分の1から10分の9までを消費するという、9段階の調節が可能であり、総力である「キュキュラ」は10段階目の位置付けになっていること。

これら術者の全魔法力からの割合で決定される「相対威力」だけでなく、定数値を消費して用いる「絶対威力」の2種類があるということ。

更に、従来用いられてきた「合体魔法」とは異なり、複数の魔法文字を累積的に合わせることで威力の増幅が可能であること。

他にも同一魔法陣に描いた複数の魔法文字を、混ぜ合わせることなく独自に展開させることで、「同時発動(複数の魔法陣を同時に描くこと)」よりも手早く幾つもの効果を得る制御が可能らしい。

「これを全部使いこなせたら、ぶっつけ本番の賭けとかじゃなく、目的やイメージ通りにいくでしょうし、魔法力の節約にもなるわね。」
「たしかに知識やテクニックも大切だ。
だが、フィヲのように、少ない知識でもその場の判断で危険を切り抜けられる術士がいる。
“LIFE”を希求する強い心が、敵とか味方を越えて、そこにいる全ての者を救いきるのかもしれない。
あたしはあの黒ローブどもと魔法の技術的な応戦になるとしたら頭が痛いよ。」

そこへ、「ゼエウの本」を大事に抱えたフィヲが、いかにも嬉しそうに入ってきた。
一緒に戻ったザンダはまだ考え事をしているようで、彼らしくもない、難しい表情をしている。

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