The story of "LIFE"

第 04 章「開戦」
第 01 節「憎悪の対立」

第 05 話
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怪人ラモーは、タフツァと戦うことに不益を感じ取った。
そして、もう一度最初の姿に変化して、慌てて地上階へ駆け上がると、そのまま屋敷を飛び出し、マントに身を隠して、逃げ去っていってしまった。


その頃、モアブルグの内衛士団・第二隊の本営には、恐るべき知らせがもたらされていた。

別働隊として古都アミュ=ロヴァから派兵されていた、同・第三隊が、闇の都市ザベラムの焼け跡の調査中に全滅したというのである。

これを受けた第二隊の司隊ルヴォンは、激怒した。

「LIFEの術士はああ言っていたが、我らも危うく罠にはめられるところだった・・・!!
明日に予定していたテビマワ攻撃は、本日、ギュバ導師が到着し次第、敢行する!!」

やがて、湖畔の古屋敷で成功を収めて町に戻った巡査隊とタフツァらは、ギュバ導師を迎え、慌ただしく進攻する第二隊の様子を目にした。

予定と異なる隊の動きに驚きながらも、タフツァはルヴォンを追った。

「司隊!
何があったというのです!?
テビマワへ向かうのですか??」
「見ての通り、我々は湖畔の勢力をも得たであろう、テビマワへ行くのだ!」

彼の言葉には皮肉が込められていた。
タフツァは、同行する意を決した。

「昨日話していた作戦だが、あれは採らない。
飽くまで、敵の息の根を止めにいくのだ。」
「なぜ!?
お約束したではありませんか!」
「これ以上、殺人者どもの肩を持つのなら、あなた方をも敵と認めざるを得んな・・・!!」

ルヴォンは、第三隊の報に接したことには触れなかった。
傍にいたギュバ導師は、明日の出発と聞いていたのが早まったため、極めて不機嫌だったようだ。

「小僧、隊の方針に口を出すなよ。
俺の魔法とルヴォンの武勇を以ってすれば、悪魔結社マーラなど、何になろう。」
「違うのです、導師。
どんな悪さをした相手であれ、決して生命を奪ってはなりません。
僕も同行させていただきます!」

ギュバは、自分が言ったことに反対されたとして、くわっと怒りをあらわにした。
そして右手に握っていた杖を振り上げると、タフツァを横倒しに、打ち払ってしまった。

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