The story of "LIFE"

第 03 章「彷徨(ほうこう)」
第 03 節「思想戦」

第 10 話
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午後になって、休んでいたソマとヤエが起き出すと、彼らはタフツァの部屋へ移って会議を始めた。

席には、古都アミュ=ロヴァの軍隊である「内衛士団」と、モアブルグの「巡査隊」から、それぞれの代表が参加していた。

なお、ヴェサとフィヲ、ザンダとドガァは、ここに来ていない。

「タフツァさん、ご一行はどのように動かれるおつもりですか?」
「僕たちは当初、レボーヌ=ソォラ中に眠る“LIFE”の文献を探すため、ここへやってきました。
ところが、宿で知り合ったヤエさんから、黒ローブの術士たちが文献を集めて焼いているという話を聞いたので、彼等に接近することにしたのです。
それからたった一日で、事態が大きく変わってしまった・・・。」

巡査隊の代表は、昨夜のザベラム救命にも加わっていた「ゴーツ」という男で、タフツァたちと親しくなっている。
魔法よりも武器による戦法を得意とする「戦士」であり、真面目で人が良く、生一本な性格が、どこかLIFEの護衛騎士ノイと似ている。

皆、知り合って数日という間柄であったが、アミュ=ロヴァの出身であるヤエは、今日初めて一行と顔を合わせているもう一人の軍官を、以前から知っているようだった。
彼は名を「ルヴォン」と言い、軍組織では「第二司隊」という職に就いていた。

「共同作戦とはいえ、動き方はそれぞれのリーダーに一任されている。
LIFEの諸氏もさることながら、かねて聞き及んでいる密偵殿のお手並み、拝見させていただくとしよう。」

口元に髭を蓄えたルヴォンは、どこか横柄な感じのする男だった。
そして、黒ローブや悪魔結社マーラについて論じる時の口調にはいつも、「危険勢力を根絶やしにせよ」といった過激さが伴っており、憎悪に裏打ちされた慢心が見え隠れしている。

また、言葉にこそ出さなかったが、彼はモアブルグの巡査隊やタフツァたちがザベラムの救命を行なったという一事に対しても、不満と疑念を抱いていたのである。
――内通しているのではないか、とまで思わないにしても、特にLIFEの一行を心から信頼してはいない。

ルヴォンが言うように、魔法剣士ヤエは、私設偵察組織「サウォーヌ」の密偵であった。
魔法都市国家レボーヌ=ソォラの実質的な主導都市であるアミュ=ロヴァは、このサウォーヌという組織に依頼して国や周辺地域の内情の調査にあたらせている。

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