The story of "LIFE"

第 03 章「彷徨(ほうこう)」
第 02 節「文献探し」

第 16 話
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タフツァが旅の商人に扮してザベラムに着いたのは、ちょうどザンダが地下へ案内されて姿を消したと同じ頃、もう日が沈みきった時刻であった。

彼はモアブルグの馬車屋の前で旅の商人と話をし、確かにザンダがザベラムへ向かったことを聞いた。
様々なアドバイスを受けた後、最低限の品物を準備するなどしているうちに馬主が戻ったので、早速馬車を出すことにした。

けれども、暗くなるにつれて森に危険な動物が現れ始めたため、思わぬタイム・ロスをしてしまった。

「何て町だ。
見るからに陰湿で、人々の表情にも、まるで生気を感じられない。
ザンダは無事なんだろうか・・・。」

見ると、ビラを片手に議論していた五人ほどの男たちが、こちらへ近付いてきていた。

「あんた、知ってるかい?
もうすぐ『イタチ』ができるんだよ。」
「『イタチ』?」

タフツァは、意味の分からないことを聞かれて動揺しつつ、からかわれたのかと思い直して、自分が今、旅の商人であることを考えた。

「『イタチ』もいいけど、どうだい、活きのいい『ネズミ』が入っているよ。」
「おお!
くれくれ!!」

彼は、「ネズミ」といえども、これが生体実験に使われるのかと思うと、深い罪を感じた。
モアブルグで出会った本物の商人が教えてくれた方法だった。

「うちのクロネコが好きでな、へ、へ、へ。」

なんだ、猫にやるのか――タフツァは「ネズミ」を代金と交換して、町の奥へと入っていった。

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