The story of "LIFE"

第 03 章「彷徨(ほうこう)」
第 02 節「文献探し」

第 15 話
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気が付くと、辺りはだんだん暗くなってきていた。

しかしザンダは、闇に包まれゆくザベラムに、すっかり魅了されてしまったのである。
細く長く、どこまでも続いていくような露店街の、奥へ奥へと引き込まれていった。

黒いローブを着ているとはいえ、ザンダのような子供の術士は、他に一人もいなかった。
町中が大人の男ばかりである。
それで目に止まったのだろう。
ある時、一人の術士が話しかけてきた。

「君は、ザベラムに住むつもりかい?」

ザンダは興奮していたし、誰からも歓迎されていたので、全く有頂天であった。
そのため、窮屈な場所――タフツァのいるLIFE――などには、もう戻る必要がないように感じられたのである。

「そうだよ、ここに住むんだ。
ところでおじさんは、ケプカスという人を知らないかい?
おれ、いろいろと教えてもらいたいと思って・・・。」
「おや、君は私のことを知っているようだね。
名前は?」
「ってことは、あんたがケプカスさん!?
おれは、ザンダだよ!!」
「そうか、ザンダ君か。
私の研究施設へ、特別に案内してあげよう。」

ケプカスに導かれたザンダとドガァは、日没の露店街から雑居区を抜けて、廃材の散乱する空き地に出た。
こんな町の片隅に、ぽつんと古小屋が建っている。

「ここだよ。
さあ、降りよう。」
「へえ、研究所って、地下にあるのか・・・!!」

石段でできた階段は暗く、冷たい感じがした。
ケプカスは炎を起すと、それを左手の上の宙に浮かべて降りていった。

ザンダも続いた。
ドガァは時々鋭い目付きをして首を傾げていたが、二人にはそのような素振りを見せず、ザンダが進めば後についていくのだった。

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